はじめに
今回は国税庁が毎年9月に公表している民間給与の統計調査を紹介します。
当該調査は昭和24年から始まり、今回で73回目の調査となります。
当該調査の目的は民間給与の実態を明らかにし、併せて租税収入の見積り、租税負担の検討及び税務行政運営等の基本資料とすることを目的としています。
1. 給与総額と税額割合の推移
以下の表は調査開始から令和3年までの給与総額と給与に対する所得税の割合の推移を表したものです。
昭和25年の給与総額は8,000億円程でしたが、昭和41年に10兆円、昭和55年に100兆円を超え、令和3年には220兆円を超えます。
また、給与に対する所得税額の割合は昭和26年までは10%程を占めましたが、徐々に減少していき、現在では5%前後を推移しています。
2.平均給与及び給与伸び率の推移
以下の表は平均給与と対前年比給与伸び率の推移を表したものです。
平均給与は平成4年まで増加していますが、それ以降は横ばい又は減少傾向にあり、令和3年の平均給与は443万円です。
対前年比給与伸び率は、高度経済成長期の昭和30年頃から増加傾向にあり、昭和49年には前年比24%も増加していますが、それ以降は減少傾向にあり、バブル崩壊の影響もあり平成5年には初めて給与伸び率がマイナスになりました。
さらに、リーマンショック発生により平成21年には伸び率が-6%となっています。また、新型コロナが発生した令和1年度にも伸び率が-1%になりましたが、徐々に回復傾向にあり、令和3年度には2%の増加となっています。
おわりに
日本は先進国に比べ平均給与が増えていないといわれていますが、高度経済成長期の頃のように増加することを期待したいです。
(担当:髙瀬)