会計・税務の知識

2022年03月10日 発行(税制改正特集)住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税の特例

はじめに

 

住宅を購入する時に、両親や祖父母から資金援助を受ける可能性がある人は、住宅取得等資金の贈与の非課税の特例を利用することで贈与税の負担を軽減できます。

2022年度税制改正大綱のうち、今回は本特例の改正内容をご紹介します。

 

 

 

1.制度のあらましと適用要件

 

住宅取得等資金の非課税の特例とは、父母・祖父母など、直系尊属から資金提供を受けて住宅を新築・増改築等をした場合に贈与税が一定額まで非課税になる制度です。

贈与を受ける人については、贈与者の直系卑属(子や孫)で、贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上かつ、合計所得金額が2,000万円以下であることなど、いくつかの要件があります。なお、民法改正により、2022年4月1日以後に贈与を取得する住宅取得等資金に係る贈与から受贈者の年齢要件は20歳から18歳に引き下げられます。

建物については、新築・増改築ともに家屋の床面積が40㎡以上240㎡以下で、その半分以上が贈与を受けた人の居住用として利用される必要があります。

また、中古住宅の場合は、築20年以内(鉄骨造、鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造のような耐火建築物は築25年以内)でなければなりません。

 

 

 

2.主な改正点

 

①適用期限

2015年(平成27年)から2021年(令和3年)12月31日までに贈与された資金でしたが、今回の改正により2023年(令和5年) 12月31日に延長される予定です。

 

②非課税限度額

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結時期にかかわらず、耐震、省エネ又はバリアフリーの住宅用家屋の場合には1,000万円、それ以外の住宅用家屋の場合には500万円と縮小することとなります。

 

今回の改正項目を加えた、非課税限度額については次の表のとおりです。

 

区分

消費税

現行(注2)

改正案

省エネ等住宅

(注1)

税率10%が適用される住宅用家屋の新築等

1,500

1,000

上記以外

1,000

上記以外

税率10%が適用される住宅用家屋の新築等

1,000

500

上記以外

500

 

(注1)耐震、省エネ又はバリアフリーの住宅用家屋

(注2) 住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日が2020年4月1日~2021年12月31日

 

なお、すでに非課税の特例の適用を受けて贈与税が非課税になった金額がある場合には、その金額を控除した非課税限度額となります。

 

③既存住宅用家屋の要件

適用対象となる既存住宅用家屋の要件について、築年数要件を廃止するとともに、新耐震基準に適合している住宅用家屋(登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降の家屋については、新耐震基準に適合している住宅用家屋とみなす。)であることを加えます。

 

④受贈者の年齢要件

2022年4月1日以後の贈与より、現行20歳以上を18歳以上に引き下げます。

 

 

 

おわりに

 

その他、詳細な改正内容につきましては弊所担当者にご相談いただくか、国税庁HPをご参照ください。

国税庁HP(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm

 

(担当:岩崎)

          

 

 

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