会計・税務の知識

2021年11月11日 発行不動産取得税について

はじめに

 

不動産を取得した場合には登録免許税、印紙税、消費税、不動産取得税など様々な税金がかかります。今回はその中でも不動産取得税についてご紹介します。

 

 

1.どのようなときに課税されるか

 

都道府県所在の土地や家屋を購入したり、家屋を建築するなどして不動産を取得したときに、その取得者に課税されます。

その場合、有償無償、登記の有無、取得原因は問いません。

 

なお、新築家屋その他一定の場合には一定の者を取得者とみなして課税するものもあります。

また、取得の時期については現実に所有権を取得したと認められるときその他一定のときに取得となります。

 

 

2.取得にならないもの

 

相続、法人の合併、共有物の分割(取得者の分割前の持分の割合を超える部分を除く)その他一定の場合については取得とはされず、課税されません。

なお、交換や贈与については取得になります。

 

 

3.計算方法、税率、免税点

 

①計算方法

不動産所得税の計算は、賦課課税方式のため、都道府県が税額を計算します。

なお、計算方法は課税標準に税率を乗じた金額が税額となります。

 

②税率

税率は下記になります。

・土地             ・・・ 3%

・家屋(住宅)      ・・・ 3%

・家屋(住宅以外) ・・・ 4%

※2024年3月31日までに取得したものに限る。

 

③免税点

課税標準額となるべき額が下記未満の場合には課税されません。

・土地           ・・・ 10万円

・家屋(新築、増築、改築) ・・・ 23万円

・家屋(その他)      ・・・ 12万円

 

 

4.課税標準の控除を受けられる場合

 

課税標準とは、実際の購入価格や建築工事費ではなく、固定資産課税台帳に登録された価格を言います。その課税標準について下記のものその他一定のものは控除を受けられます。

 

①宅地・宅地比準土地

固定資産課税台帳に登録された土地の価格の1/2(2024年3月31日までに取得したものに限る)

なお、住宅用の土地について課税標準の控除のみではなく、下記5の税額減額措置も併用して受けられます。

 

②住宅の場合

・新築住宅の場合、一定の要件を満たせば課税標準となるべき額から1200万円控除できます。

※認定長期優良住宅は1,300万円(2022年3月31日までに取得した場合に限る)

・中古住宅の場合、一定の要件を満たせば、新築時期に応じて最大1,200万円控除できます。

 

 

5.税額の減額

 

一定の要件を満たす住宅用の土地その他一定のものは税額の減額を受けられます。

住宅用の土地の減額金額は下記のいずれか大きい金額を税額から減額できます。

イ 45,000円

ロ 1㎡当たりの課税標準になるべき額の1/2の額×新築住宅の床面積の2倍(200㎡を限度)×税率

 

 

6.課税標準の控除を受けられる場合

 

原則申告が必要になります。申告期限については都道府県によって違いますので確認が必要です。

 

また、申告しない場合でも都道府県から納税通知書が送られてきますが、申告を忘れると減額等を受けられないのでご注意ください。

なお、申告を忘れて納税してしまった場合でも還付請求できます。

 

 

おわりに

 

不動産取得税を軽減できる場合がありますので、都道府県のホームページ等で要件を確認し、不動産取得の際はご留意ください。

          (担当:杉山)

          

 

 

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