会計・税務の知識

2021年04月08日 発行事業再構築補助金について(概要編)

はじめに

 

2020年度第三次補正予算にて、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための中小企業の思い切った事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的に「事業再構築補助金」が発表されました。第1回公募の受付は4月15日から開始される予定です。今回は、この事業再構築補助金について解説します。

 

 

1.事業再構築補助金とは

 

事業再構築補助金とは、中小企業等で新分野展開、業態転換、事業・業種転換等、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する制度になります。

 

 

2.事業再構築補助金の主要申請要件

 

主要申請要件は下記となります。

ⅰ.売上高が減少している。

申請前の直近6ヵ月間のうち、任意の3ヵ月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3ヵ月の合計売上高と比較して10%以上減少している。

ⅱ.事業再構築に取組む。

事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行う。

ⅲ.認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する。

(a)事業再構築に係る事業計画を認定経営革新等支援機関と策定する。補助金額が3,000万円を超える場合は、金融機関も参加して策定する。ただし、金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみでよい。

(b)補助事業終了後3~5年で付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)の年率平均3.0%(グローバルV字回復枠は5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(同上5.0%)以上増加の達成を見込む事業計画を策定する。

 

 

3.予算額、補助額、補助率

 

2020年度第三次補正予算で1兆1,485億円が計上されており、補助金の公募は2021年度に複数回実施する予定です。補助額、補助率に関しては、中小企業と中堅企業で取扱が異なり、さらに緊急事態宣言特別枠に該当すれば補助率が高くなります。

 

【中小企業】

補助額

補助率 

通常枠

100万円~6,000万円

2/3   

※1卒業枠

6,000万円超~1億円

2/3  

※1 卒業枠とは

400社限定。事業計画期間内に、①組織再編、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかにより、資本金又は従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠

 

【中堅企業】

補助額

補助率 

通常枠

100万円~8,000万円

1/2(4,000万円

超は1/3

※2グローバル

V字回復枠

8,000万円超~1億円

1/2

※2 グローバルV字回復枠とは

100社限定。以下の要件をすべて満たす中堅企業向けの特別枠。

①直近6ヵ月のうち任意の3ヵ月の合計売上高がコロナ以前と比較して15%以上減少している

②補助事業終了後3~5年で付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額につき年率0%以上増加の達成を見込む事業計画を策定する

③グローバル展開を果たす事業である

 

【緊急事態宣言特別枠】

2021年の緊急事態宣言により深刻な影響を受けた中小企業等について、補助率を引き上げます。また、「特別枠」で不採択となったとしても、加点の上、「通常枠」で再審査しますので、特別枠へ応募された方は、その他の方に比べて採択率が高くなる可能性があります。

従業員数

補助金額

補助率

5人以下

100万円~500万円

中小企業:3/4

中堅企業:2/3

6~20人

100万円~1,000万円

21人以上

100万円~1,500万円

※2021年1月~3月のいずれかの月の売上高が対前年または、前々年の同月比30%以上減少


 

4.おわりに

 

今回は、事業再構築補助金の概要についてご説明させていただきました。申請に関しては当事務所でもご支援可能となりますので、ご興味がございましたらお声がけください。

(担当:中村)

            

 

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