はじめに
e-Stat(日本の統計が閲覧できる政府統計ポータルサイト)で公表される消費者物価指数の動向について紹介します。
1.消費者物価指数の推移について
以下の表は、2020年分を基準値(100)とした場合の、2012年から2024年分にかけての消費者動向指数の推移を表したものです。指数は2012年から緩やかに上昇を続けており、2022年以降は大幅な上昇が見られます。
近年の総合指数の動向をみると、以下の特徴が見られます。
2022年はウクライナ情勢などによる原油価格や国際的な原材料価格の上昇、円安を背景に、エネルギーや生鮮食品を除く食料の価格が上昇しました。
2023年は原材料価格や輸送費の上昇を背景とした生鮮食品を除く食料の上昇、原材料価格の上昇や需要の回復などを背景としたサービス価格も上昇しました。
2024年は天候不順などを背景とした原材料価格の上昇を背景に、チョコレートを始めとする生鮮食品を除く食料の上昇、猛暑による2023年産米の品薄を契機とした需給の引き締まりや生産コストの上昇により米類の価格も上昇しました。さらに、訪日客を始めとする旅行需要の増加などによる宿泊料の上昇も見られました。

2.10大費目の年平均指数の推移について
以下の表は、10大費目の年平均指数の推移を表したものです。2020年と2024年を比較すると、最も増加率が高い費目は「家具・家事用品」であり、18.4%の上昇が見られます。主な要因は家庭用耐久財、家事用消耗品や家事雑貨の上昇によるものです。「食料」は2012年以降、継続的に上昇傾向にあり、近年では猛暑や天候不良の影響を受け、2024年には2020年比で17.8%の上昇となっております。「光熱・水道」は2023年に実施された「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による一時的な下落の反動で、2024年には電気代が増加しました。「交通・通信」は2022年におけるスマートフォンの低廉な料金プランの提供により、通信費が下がり、2024年は2020年比で唯一の減少費目となっています。「教養娯楽」も継続的に上昇しており、訪日客の増加などによる旅行需要の高まりを背景に、宿泊費の上昇が主な要因となっています。

おわりに
10大費目のより詳細な情報、地域別や年齢階級別のデータもe-Statに公表されておりますので、ご興味のある方は御覧ください。
(担当:高瀬)