会計・税務の知識

2024年05月16日 発行電子帳簿保存法の実務への適用

はじめに

 

2024年1月1日に、ついに(改正後)電子帳簿保存法が2年間の宥恕期間を終えて、完全義務化されました。

3カ月が経過し、実務に適用していく中で国税庁に質問の多かった事例が整理・集約されたので、いくつかご紹介したいと思います。

 

 

 

1.従業員を雇用する際の労働条件通知書や雇用契約書を電子メールやクラウドサービスを利用して授受を行った場合、電子取引データとして保存する必要があるか?

 

[結論]

電子メールやクラウドサービスを利用して授受する場合は、電子取引データとして保存する必要がある

 

[理由]

雇用する従業員に対して交付する労働条件通知書や取り交わしを行う雇用契約書には、通常、契約期間・賃金・支払方法等に関する事項が記載されており、取引に関して受領し、又は交付する注文書・契約書・送り状・領収書・見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項(法第2条第5号に規定する取引情報)に該当するので、その情報の授受を電子メール等の電磁的方式によって行う場合は、電子取引に該当するため。

 

 

 

2.ECサイトで物品を購入したときに、購入情報の管理ページで領収書等のデータをダウンロードできる場合、領収書等のデータを必ずダウンロードして保存する必要があるか?

 

[結論]

基本的にはダウンロードをして保存する必要があるが、以下の2つの要件を満たす場合は、必ずしも必要ではない

 

要件1:ECサイトの提供事業者が、電子取引に係る保存義務者(物品の購入者)に対して満たすべき真実性の確保と検索機能の確保の要件を満たしている場合

要件2:ECサイト上でその領収書等のデータの確認が随時可能な状態である場合

⇒各税法で定められた保存期間中に、ECサイト上で確認ができなくなる場合は、確認できなくなる前にデータをダウンロードして保存する必要がある

 

[理由]

インターネット上で領収書等のデータを確認できることとなった時点が電子取引の授受があったタイミングと考えられるので、ECサイトを利用して物品を購入した場合においても、ECサイト上で領収書等のデータの取引情報を確認することができるようになった時点で、電子取引の受領があったものとみなすため。

 

 

 

3.インターネットバンキングを利用した振込等も電子取引に該当し、振込等を実施した取引年月日・金額・振込先名等が記載されたデータの保存が必要とのことだが、金融機関のオンライン上の通帳や入出金明細等を代わりとして保存することも可能か?

 

 

[結論]

金融機関のオンライン上の通帳や入出金明細等による保存も可能だが、1件の振込等において振込先が複数ある場合は、各振込先・振込金額を確認できる書類等の保存が必要

 

 

 

おわりに

 

上記は数例ですが、問合せの多い事項(共通する疑問点)が国税庁HPにて随時集約・更新されています。

実際の業務へ適用する中で生じた疑問に共通するものがある可能性もあります。

ぜひ、ご参考にしてみてください。

出典:国税庁HP (0023011-017.pdf (nta.go.jp))

(担当:赤塚)

 

 

PAGETOP

お問い合わせ