会計・税務の知識

2022年06月09日 発行ポイント使用時の会計処理(事業者)

はじめに

 

キャッシュレス化の普及に伴い、ポイント制度を導入しているお店や企業が大幅に増加しています。

今回は事業者がポイントを使用した時の会計処理についてご紹介します。

 

 

 

1.共通ポイント

 

Tポイント・楽天スーパーポイント・dポイントを始めとする、「共通ポイント」を使用する場合はポイント分を値引きとして扱うことはできず、雑収入に計上します。

 

(例)共通ポイント100円分を使用して220円の消耗品を購入した場合の会計処理

 借方 消耗品費(10%)220  貸方 現金等 120

                     雑収入※100

※雑収入の消費税区分→不課税

 

 

 

2.企業発行ポイント

 

上記の共通ポイントではなく、そのお店が独自に発行しているポイントを使用する場合には以下の2通りの会計処理の方法が考えられます。

 

①値引処理

 ポイント使用後の支払金額を経費算入する処理

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 借方 消耗品費( 8%)530 貸方 現金 1,069

    消耗品費(10%)539

 

 

②両建処理

 ポイント使用前の支払金額を経費算入するとともに、ポイント使用額を雑収入に計上する処理

 

 借方 消耗品費( 8%)540 貸方 現金   1,069

       消耗品費(10%)550    雑収入※  21

※雑収入の消費税区分→不課税

 

 

*上記1・2ともに、消費税の仕入税額控除の適用を受けるためには、区分経理に対応した帳簿及び区分記載請求書等の保存が必要となります。

 

 

 

おわりに

 

消費税の仕入税額控除の観点からすると、①と②の方法では控除する消費税額に違いがあります。

①ではポイントを値引処理するため仕入税額がポイントの消費税額分相殺されて金額が少なくなります。

②の方法ではポイント分雑収入を計上するため仕訳は煩雑になりますが、貸方に計上する雑収入の消費税区分が不課税であるため、ポイントの消費税額は相殺されません。

(担当:小野)

          

(参考国税庁HP) 

共通ポイント制度を利用する事業者及びポイント会員の一般的な処理例 

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/0019012-152.pdf

企業発行ポイントの使用に係る経理処理

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/point.pdf

 

 

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