【比較】家族信託と生前贈与は何が違う?メリットデメリットやおすすめな人を紹介

【比較】家族信託と生前贈与は何が違う?メリットデメリットやおすすめな人を紹介

家族信託と生前贈与は、どちらも「財産を子どもへ託す方法」として注目されていますが、仕組みや得られる効果は大きく異なります。家族信託は財産の管理権だけを移し、親の利益を守りながら将来の凍結リスクを防ぐ方法です。一方、生前贈与は財産そのものを移転でき、相続税対策として活用されます。本記事では、それぞれのメリット・デメリット、向いているケースを比較し、あなたの家庭に最適な方法を分かりやすく解説します。

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家族信託と生前贈与とは

まずは家族信託と生前贈与とはどのようなものか、その概要について分かりやすく解説します。

家族信託:財産の「管理権」だけを子どもに移転

家族信託は、財産の管理・運用・処分といった「管理権」だけを子どもに移し、親には利益を受け取る「財産権」が残る仕組みです。認知症になると預金の引き出しや不動産の売却が難しくなるため、事前に子どもに権限を渡しておきたい場合に活用されます。ただし、財産は親のために使われ、子どもの所有にはなりません。

生前贈与:財産の権利がすべて子どもに移転

生前贈与では、財産の所有権そのものが親から子へ移ります。管理権も利益を受ける権利も子どもに移るため、子どもは贈与された財産を自由に使えます。利用されるケースは子どもがマイホームを購入するため資金援助を受ける場合や、節税目的として、生前に財産を移したい場合があります。

家族信託と生前贈与は目的や効果が大きく異なるため、自身の状況や希望に合わせて適切な方法を選択する必要があります。どちらが自分に合っているかわからない場合は、専門家に相談することで最適な方法が見つかります。「やさしい相続相談センター」では、家族の状況に合わせたアドバイスを無料で提供していますので、ぜひお気軽にご相談ください。

家族信託と生前贈与のメリット・デメリット

続いて、家族信託と生前贈与のメリット・デメリットについて以下の表にまとめました。

項目

家族信託

生前贈与

メリット

  • 委託者の判断能力に左右されずに財産管理が可能
  • 財産の承継や運用の方法を自由に決められる
  • 相続税や贈与税の節税効果が期待できる
  • 贈与する時期や受け取る人を自由に選択できる

デメリット

  • 損益通算ができない
  • 信託の受託者選びに注意が必要
  • 土地や不動産は登録免許税や不動産取得税などが発生する可能性がある

  • 相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加算される可能性あり(段階的に7年に延長される)

家族信託と生前贈与にはそれぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。そのためどちらが適しているかは財産の内容や家族の状況、目的によって変わります。

財産管理や承継の自由度を重視する場合は家族信託、相続税の節税や贈与のタイミングを重視する場合は生前贈与が向いています。双方の違いを理解し、専門家のアドバイスを受けながら最適な方法を選びましょう。

【ケース別】家族信託と生前贈与がおすすめな人

家族信託と生前贈与がおすすめな人の特徴を以下にまとめたので、こちらもぜひ参考にしてください。

今すぐ財産を子どもに移したい場合は「生前贈与」

「すぐに財産を渡したい」「子どもに自由に使わせたい」という場合は、生前贈与が向いています。結婚資金、住宅取得資金、孫の教育資金など、贈与を受けた子どもは財産を自身の目的のために使えます。

また、不動産賃貸業を行っている家庭では、建物だけを子どもへ贈与する方法もあります。建物の所有者が子どもになるため、家賃収入を子ども側に移し、相続に備えて納税資金を貯めることも可能です。

ただし土地と建物の所有者が別々になると、将来の相続時にトラブルが生じやすいです。全体のバランスを見ながら慎重に判断しましょう。

財産管理を任せたい・必要な時にスムーズに相続させたい場合は「家族信託」

「認知症で財産が凍結されるのを防ぎたい」「必要な時に預金を引き出したり不動産を売却したりしたい」場合は家族信託が適しています。家族信託なら、贈与税や不動産取得税がかからず、親が使える税務上の特例(自宅の特例など)もそのまま利用できます。財産を親のために管理しながら、将来の資産継承もスムーズに準備しやすいです。

特に自宅など不動産の場合は110万円の基礎控除を超えることがほとんどで、生前贈与だと高額な贈与税が発生しがちです。そのため、節税以外の目的で財産管理を考える場合は、家族信託を選ぶ例が多く見られます。

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家族信託と生前贈与は併用できる?

家族信託と生前贈与は、それぞれ役割や得意分野が異なる制度ですが、併用すること自体は可能です。実際に「認知症対策として財産管理の仕組みを整えたいが、相続税対策も同時に進めたい」というご家庭では、両方を組み合わせるケースもあります。

例えば主要な不動産や生活資金は家族信託でしっかり管理しつつ、余裕資金だけを毎年少額ずつ生前贈与する「ハイブリッド型」が一例です。この方法であれば、親の財産を守りながら、110万円の非課税枠を活用した贈与で相続税対策も並行して進められます。

とはいえ、併用が常に最適とは限りません。家族構成、財産の種類、親の健康状態、相続税の見込み額などによって、有効な方法は大きく変わります。不動産が多い家庭と現金が多い家庭では、ベストな対策がまったく違うため、制度の仕組みだけで判断すると逆に不利になることもあります。

そのため家族信託と生前贈与を併用すべきかどうかは、まず現在の状況と目的を整理し、最適な組み合わせを見極めることが重要です。判断を誤ると、思わぬ贈与税や相続トラブルにつながる可能性もあるため、制度の違いを理解したうえで慎重に選ぶ必要があります。

ご自身のケースではどちらが最適なのか知りたい方は税理士・司法書士が在籍する「やさしい相続相談センター」にぜひご相談ください。初回から丁寧に状況を整理し、最適な方法をご提案します。

まとめ

家族信託と生前贈与は、どちらも「将来の安心」や「円滑な資産承継」を目的とする制度ですが、強みや適したケースは大きく異なります。将来の認知症リスクへの備えや、財産の凍結を防いでスムーズに管理したい場合には家族信託が有効です。一方で、早めに財産を子へ移してあげたい、住宅取得・教育資金など具体的な支援を行いたいなどの場合には生前贈与が適しています。

ただし、家族信託には契約設計・公正証書化などの初期費用や手続きが発生し、生前贈与には贈与税や生前贈与加算といった注意点もあります。どちらが正解というものではなく、ご家庭の事情・家族関係・財産の種類・目的によって最適解は大きく変わります。

そのため、両制度の仕組みを正しく理解し、無理なく続けられる方法を選ぶことがとても重要です。正しい選択をするためにも、早いうちに税理士などの専門家に相談して手続きを進めることをおすすめします。

相続や贈与の方法で悩んでいる方は「やさしい相続相談センター」にぜひご相談ください。専門家がご家庭ごとの状況を丁寧にヒアリングし、ベストな相続・贈与プランをご提案いたします。

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監修者

山口 美幸

山口 美幸 小谷野税理士法人 パートナー税理士・センター長

96年大手監査法人入社、98年小谷野公認会計士事務所(小谷野税理士法人)入所。

【執筆実績】
「いまさら人に聞けない『事業承継対策』の実務」(共著、セルバ出版)他

【メッセージ】
亡くなった方の思い、ご家族の思いに寄り添って相続の手続きを進めていきます。税務申告以外の各種相続手続きも、ワンストップで終了するように優しく対応します。