5,000万円の贈与税はいくら?贈与税がかからない方法や申告の注意点

5,000万円を贈与すると、贈与税はいくらになるのでしょうか。贈与の種類や受け取る相手によって税額は大きく変わり、場合によっては2,000万円以上の税負担が生じることもあります。また不動産の低廉譲渡など贈与ではないと思っていた行為が贈与税の対象になるケースも少なくありません。そこで本記事では、5,000万円を贈与した場合の税額シミュレーションや贈与税がかからない方法、申告時の注意点を解説します。
目次
贈与税がかかるケース
贈与税は、もらった財産の価値が年間110万円を超える場合に発生します。現金だけでなく不動産も対象で、不動産は評価額が大きいため、多くの場合で贈与税が必要になります。
また、不自然に安い価格で不動産を売買した場合にも注意が必要です。例えば、5,000万円の土地を500万円で譲り受けたケースがあったとします。この場合は差額の4,500万円が「贈与」と判断され、贈与税の対象になります(低廉譲渡)。
一方、借金としてお金を受け取る場合は贈与には当たりません。しかし返済の実態がなかったり、途中で返済を免除されたりすると、結果的に贈与とみなされ課税されることがあります。
こうした判断が難しいケースも多いため、不安がある方は早めに専門家へ相談するのがおすすめです。「やさしい相続相談センター」では、贈与税や相続に精通した専門家があなたの状況に合わせてアドバイスを提供します。初回は無料で相談できますので、まずはお気軽にご利用ください。
5,000万円を贈与した場合の贈与税はいくら?
5,000万円を贈与した場合、実際の贈与税額はどれくらいになるのでしょうか。ここでは、贈与税の基本である「暦年課税方式」を使い、一般贈与財産と特例贈与財産に分けて具体的にシミュレーションしていきます。
暦年課税方式とは、毎年1月1日〜12月31日までに受け取った贈与額を基準に税額を計算する制度です。年間110万円までは非課税とされ、それを超えた部分に対して定められた税率をかけて贈与税を計算します。
一般贈与財産の場合
一般贈与財産とは特例贈与財産に該当しない、すべての贈与財産を指します。今回の例では夫から妻への贈与とし、離婚時の慰謝料は含まれません。まず、基礎控除110万円を差し引きます。
5,000万円 − 110万円 = 4,890万円
一般贈与財産の速算表では「3,000万円超」の税率は55%です。これを課税価格に乗じると、4,890万円 × 55% = 2,689万5,000円となります。
ここから控除額400万円を差し引くと2,689万5,000円 − 400万円 = 2,289万5,000円です。最終的に、約2,290万円の贈与税が発生し、贈与額のほぼ半分を税金で納める計算となります。
特例贈与財産の場合
特例贈与財産とは、直系尊属(父母や祖父母など)から、18歳以上の子や孫(直系卑属)へ贈与された財産のことです。今回の例では祖父母から18歳以上の孫への贈与とします。基礎控除後の金額は一般贈与と同じく4,890万円で、税率は同じく55%です。
ただし特例贈与では控除額が640万円と、一般贈与より240万円多く控除できます。計算式は以下の通りです。
(5,000万円 − 110万円)× 55% − 640万円= 2,049万5,000円
そのため、一般贈与より240万円少ない約2,050万円の贈与税となります。
参考:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁
贈与税がかからないようにする方法
贈与税がかからないようにする際に活用できる特例を以下にまとめました。
110万円の基礎控除
もっとも身近な非課税制度が「年間110万円までの基礎控除」です。贈与は当事者の意思で時期を調整できるため、例えば1,000万円を一度に贈与して約231万円の贈与税を支払うより、毎年100万円ずつ贈与すれば税金は一切かかりません。時間を分散させるだけで、大きな節税効果が得られます。
ただし、10年間で毎年100万円を渡すのように、あらかじめ決まっている場合などは定期贈与を見なされる恐れがあるため注意しましょう。
相続時精算課税制度
相続時精算課税とは、60歳以上の親や祖父母から、成人した子や孫へ贈与する際に利用できる制度です。贈与時には2,500万円と110万円の基礎控除まで非課税となり、最終的に相続が発生した時点で贈与分を相続財産に合算して精算します。
ただし、相続財産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)を超える場合は相続税がかかります。そのため、制度を使うことで逆に税負担が増えるケースもあります。相続財産が基礎控除の範囲に収まる見込みが高い場合にのみ有効な方法と言えるでしょう。
住宅取得資金贈与の非課税制度
親や祖父母から住宅の取得・新築・増改築(リフォーム)資金の贈与を受けた場合、一定の条件を満たせば非課税制度を利用できます。省エネ性能など一定の基準を満たす住宅(省エネ等住宅)の場合は最大1,000万円、それ以外の住宅の場合は最大500万円までが非課税枠となります。
参考:No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|国税庁
結婚・子育て資金の贈与非課税
18歳以上50歳未満の人が、父母や祖父母などの直系尊属から結婚・子育て資金として贈与を受けた場合に適用される制度です。金融機関等との管理契約に基づき信託・預入・有価証券購入を行った場合、1,000万円まで贈与税が非課税となります。
参考:No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税|国税庁
贈与税における注意点
以下では贈与税における注意点をまとめたので、こちらもしっかり確認しておきましょう。
特例を正しく使う
贈与税を抑えるために最も重要なのは特例の活用です。年間110万円以下で贈与を続けるのが基本ですが、場合によっては特例を使うことで非課税枠が大きく広がり、節税に大きく役立ちます。
ただし、特例の中には「相続時に課税されるもの」もあるため、内容を十分理解したうえで利用する必要があります。特例が適用されるか自信がない場合は、早めに専門家に相談しましょう。
相続まで考えて贈与計画を立てる
贈与と相続は常にセットで考えることが大切です。特に、贈与から3年以内に相続が発生すると、その贈与は相続財産に加算されます。また、2024年以降、相続開始前の加算期間は段階的に「7年」に延長されています。
贈与税と相続税のどちらに有利な特例を使うべきかは、全体の財産状況によって異なるため、総合的な判断が必要です。
贈与を隠さない
「現金で渡せばバレないのでは?」と思われがちです。しかし、贈与は金融機関の入出金履歴や不動産の名義変更などから、税務署に高い確率で把握されます。仮に隠したとしても、後から発覚した際には追徴課税や加算税など、通常より重いペナルティが科される可能性があります。
適切に申告しておけば、利用できる特例や控除を最大限活用しながら、正しく節税することも可能です。不要なリスクを抱えないためにも、贈与は必ず正規の手続きを踏み、透明性のある形で進めることが重要です。
困ったら専門家に相談する
贈与は制度が複雑なうえ、相続との兼ね合いもあるため、自己判断は危険です。贈与・相続に詳しい税理士であれば、あなたの状況に最適な節税方法を提示してくれます。
多くの事務所では初回無料相談を実施しているため、まずは気軽に相談し、費用や対応方針を確認したうえで依頼を検討できます。悩んでいる段階こそ、専門家への無料相談を活用するのがおすすめです。
どこに相談すればよいか迷っている方は、「やさしい相続相談センター」をご利用ください。相続・贈与に精通したプロが、あなたの状況に寄り添いながら最適な解決策をご案内します。初回無料で相談できるので、まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ
5,000万円を贈与する場合、暦年課税方式では一般贈与・特例贈与のどちらでも税率55%が適用され、高額な贈与税が発生します。特に一般贈与では約2,290万円、特例贈与でも約2,050万円と、贈与額の約半分が税金となるため、事前の計画が必要です。
一方で、年間110万円の基礎控除を活用した長期的な贈与など、条件に応じて贈与税を抑える方法も存在します。ただし、制度ごとにメリット・デメリットが大きく、相続税との兼ね合いまで踏まえどの特例を適用するか検討しなくてはいけません。
また、贈与を隠す行為は税務署に把握されやすく、重いペナルティが科されるリスクもあるため絶対に避けるべきです。確実に節税しながらトラブルを避けるには、専門家のサポートが非常に有効です。
贈与や相続で迷ったら「やさしい相続相談センター」にご相談ください。初回無料で、あなたの状況に寄り添いながら最適な解決策をご提案します。
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監修者

山口 美幸 小谷野税理士法人 パートナー税理士・センター長
96年大手監査法人入社、98年小谷野公認会計士事務所(小谷野税理士法人)入所。
【執筆実績】
「いまさら人に聞けない『事業承継対策』の実務」(共著、セルバ出版)他
【メッセージ】
亡くなった方の思い、ご家族の思いに寄り添って相続の手続きを進めていきます。税務申告以外の各種相続手続きも、ワンストップで終了するように優しく対応します。


