土地と現金のどっちが得?相続で失敗しない選び方のコツを解説!

「相続では土地と現金のどっちが得する?」「相続税を少しでも減らしたい…」とお悩みの方もいるでしょう。結論としては、相続においてどちらが得するのか一概には言い切れません。節税効果のほか、平等な分割のしやすさや今後の利用方法なども踏まえたうえで、決断を下す必要があるためです。今回は、土地などの不動産・現金相続の基本とメリット・デメリットなどを解説します。
目次
土地と現金のどっちが相続で得する?

相続においては、土地と現金のどちらを選択するのかによって、納税額や相続人同士の人間関係などに影響が及ぶ可能性があります。以下では、どちらを選ぶと得しやすいのかを大まかに解説します。
相続税の計算で用いられるのは税務上の価額
相続税の節税対策をするうえで基本となるのは、相続財産の評価額を正確に算出することです。土地などの不動産の場合、場所や用途、権利などに応じて評価額は異なるのが特徴です。
原則として、被相続人が亡くなったとき(以下、相続発生)の市場価格(以下、時価)によって、相続財産は評価されます。相続財産の評価方法については、国税庁の「相続税財産評価基本通達」をチェックする必要があります。
相続発生から10ヵ月以内が申告期限のため、早めに手続きを進めるのは重要です。
納税負担を軽減するには土地
土地と現金の評価方法の違いにより、節税を目的とする場合には、土地を選択する方が得する可能性は高いです。用途に関係なく建物の敷地である「宅地」の場合、税額を算出するときの評価額を下げられるためです。
居住用・事業用・貸付用の土地に該当し、一定要件を満たすと特例を適用できます。
特に、節税効果の高いものは小規模宅地等の特例で、最大で80%もの評価額減が見込まれるため、納税額を大幅に軽減できます。土地の種類によって評価方法は異なるのが特徴で、具体的には以下の表にまとめました。
宅地 |
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農地・山林 | 倍率方式 |
借地権 | 自用地としての評価額✕借地権割合 |
貸宅地 | 自用地としての評価額−自用地としての評価額✕借地権割合 |
貸家建付地 | 自用地としての評価額−自用地としての評価額✕借地権割合✕借家権割合✕賃貸割合 |
相続トラブルを防ぐには現金
円満に相続を終えるうえでは、現金で相続するのが有用です。相続でトラブルに発展する理由として、相続財産をもらえる方と、もらえない方に分けられる点があげられます。
土地などの不動産とは異なり、現金の場合は平等に分割しやすく、相続人同士で納得の行く結論を出しやすいと言えます。遺産分割での扱いは同じだと言えますが、以下の通り、預貯金と現金は法律上の区分が異なると知っておくとよいでしょう。
- 現金:物
- 預貯金:権利
土地などの不動産とは異なり、現金の場合、納税負担を軽減できる特例などがありません。
土地を相続するメリット・デメリット

土地の相続にはメリットとデメリットの両方があります。どちらも正しく理解しておくと、相続するうえでの適切な判断に役立てられます。以下で詳細に見ていきましょう。
メリット
土地を相続するメリットに関して具体的には、以下の表にまとめました。
小規模宅地等の特例を適用できる |
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アパートやマンションを建てると節税につながる |
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売却で現金を得られる |
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土地を分けると評価額を下げられる |
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大きな土地を分割すると納税額を下げられる |
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アパートやマンションを建てると経営上のリスクが生じますが、貸駐車場の経営を選ぶとリスクを低減させられます。比較的少ない設備投資や、売却のしやすさなどの特徴があるためです。
デメリット
土地の相続には主に節税面でのメリットがある一方で、デメリットもあると知っておく必要があります。詳しくは以下の表の通りです。
税金が発生する |
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管理する必要がある |
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人に貸し出す貸宅地にはリスクが伴う |
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平等な分割が困難である |
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前項で紹介した小規模宅地等の特例は、節税効果の高いものですが、配偶者の相続(二次相続)時に子どもの負担が大きくなりやすい点は要注意です。相続をきっかけに、親との同居を始めるなどで適切に対策するのが重要です。
現金を相続するメリット・デメリット

現金の相続においては、土地とは正反対と言えるメリット・デメリットがあります。以下で詳細に解説します。
メリット
現金を相続する場合のメリットについて、具体的には以下の表にまとめました。
管理が不要である | 売却や名義変更などのための時間や手間などがかからない |
すぐに分割できる | 相続人同士で平等に分けられるため、トラブルを未然に防ぎやすい |
相続後に自由に活用できる |
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財産の特性上、平等かつすぐ分割できる点や使いやすさが現金のメリットです。
デメリット
現金の相続デメリットは、特例など適用によって評価額を引き下げられないため、土地などの不動産に比べて高い納税額を求められる点です。すぐに分割できる点はメリットとなる反面、相続人同士で争いに発展するケースもある点に注意が必要です。
被相続人の中には「タンス預金」として、自宅に現金を隠しているケースもあります。税務調査などで申告漏れを指摘されると、余分に納税を求められるリスクがあります。
土地を相続するときの注意点
土地を相続するうえでは、以下の注意点を押さえておく必要があります。
損害賠償のリスクがある |
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買い手が見つからないケースがある |
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相続するか慎重に判断する |
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共有での相続はトラブルに発展しやすい |
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もし訴訟などに発展すると、時間や費用が発生するほか、相続人同士の人間関係に致命的な傷が生まれる可能性もあります。
よくある質問
現金と不動産のどちらが相続で得するのかについて、多くの方が疑問に感じやすい点をまとめました。以下で、詳細に解説していきます。
不動産はいらないため、現金だけ相続したいのですができますか?
いいえ。相続においては、以下の2つが基本となるためです。
- 単純承認:すべての財産を相続する
- 相続放棄:すべての財産を放棄する
プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ限定承認という方法もありますが、活用されるケースは限定的です。
相続では株と現金のどっちが得ですか?
個々の状況や前提条件などによって異なるため、どっちが得であるか一概には言い切れません。
現金の相続税はいくらまで無税ですか?
現金を含む遺産額が、基礎控除額を下回る場合には無税となります。基礎控除とは、税額を算出するにあたって遺産額から差し引ける金額のことです。「3,000万円+600万円✕法定相続人数」で基礎控除を算出できます。
基礎控除以下の場合、相続税の申告は不要です。
自宅で保管していた現金は税務署にばれない?
ばれる可能性があります。税務署には調査権限があり、預金の入出金履歴や貸金庫の契約状況などを金融機関に照会して点検できるためです。
税務署にばれるとペナルティを課されるため、正直に申告するのが重要です。
現金よりもマンション購入が相続税対策になる理由は?
アパートやマンションなど不動産の場合、市場価格の7〜8割程度になる傾向にあるためです。以下の点に該当すると、相続税額をより引き下げられます。
- 賃貸不動産はさらに評価額が下がる
- 要件を満たすと小規模宅地等の特例を適用できる
- マンション購入時のローンが控除対象となる
マンション購入は相続税対策になるのですが、トラブル発生などのリスクも把握しておくのが重要です。
土地と現金のどっちで相続するか迷ったときは税理士へ
土地などの不動産と現金のどちらを選ぶと、相続では得しやすいのかを解説してきました。
相続は千差万別で個々のケースによって異なるため、どちらが絶対に得するとは言えません。
節税対策や財産の利用方法、平等な分割のしやすさ、相続人の希望などを押さえたうえで、総合的に判断するのが重要です。円満な相続には専門知識が求められるため、専門の税理士へ依頼すると安心できるでしょう。
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監修者

山口 美幸 小谷野税理士法人 パートナー税理士・センター長
96年大手監査法人入社、98年小谷野公認会計士事務所(小谷野税理士法人)入所。
【執筆実績】
「いまさら人に聞けない『事業承継対策』の実務」(共著、セルバ出版)他
【メッセージ】
亡くなった方の思い、ご家族の思いに寄り添って相続の手続きを進めていきます。税務申告以外の各種相続手続きも、ワンストップで終了するように優しく対応します。



