相続税の計算シミュレーションと手続きの流れを徹底解説!税理士に依頼すべきケースとは

相続税の計算シミュレーションと手続きの流れを徹底解説!税理士に依頼すべきケースとは

相続税の申告は、遺産総額の計算から税額算出、書類提出まで多くの工程が必要で、専門知識を伴う複雑な手続きです。特に不動産や金融資産が多い相続では、税額の計算を誤ると追徴課税のリスクもあります。本記事では相続税がどのように算出されるのかをシミュレーション形式で分かりやすく解説し、申告までの流れや注意点も紹介します。相続に不安がある方や、相続税の手続き方法を理解したい方は、ぜひ参考にしてください。

相続税の計算シミュレーション

相続・贈与に関する書類手続き

ここでは、モデルケースを設定しながら、相続税がどのように計算されるのかを順を追って説明します。シミュレーションは以下の設定を用います。

  • 相続人:配偶者・長男・長女の3名
  • 遺産総額:自宅と金融資産を合わせて2億円
  • 債務:5,000万円
  • 葬儀費用:200万円
  • 遺産の割合:配偶者40%、長男30%、長女30%

遺産総額を算定する

まずは、実際に課税計算のベースとなる遺産総額を算出します。遺産額2億円から、債務5,000万円と葬儀費用200万円を差し引きましょう。つまり計算式は2億円 − 5,000万円 − 200万円 = 1億4,800万円となります。

基礎控除額を差し引く

ここからさらに、相続税計算の重要なポイントとなる基礎控除額を差し引きます。控除額は3,000万円に、法定相続人の人数×600万円を加算した金額です。相続人は3人のため、控除額は「3,000万円+(3人×600万円)=4,800万円」です。

この4,800万円を遺産総額1億4,800万円から差し引くと、1億円が課税対象額となります。

相続税額の総額を求める

次に、法定相続分どおりに遺産を仮に分配した場合の税額を出し、全体の相続税額を算出します。相続人3人の場合の法定相続分は、配偶者が1/2、子ども2人がそれぞれ1/4ずつです。

  • 配偶者分:1億円×1/2=5,000万円
  • 長男分:1億円×1/4=2,500万円
  • 長女分:1億円×1/4=2,500万円

ここに速算表の税率を当てはめると、以下のようになります。

  • 配偶者:5,000万円×20%−200万円=800万円
  • 長男:2,500万円×15%−50万円=325万円
  • 長女:2,500万円×15%−50万円=325万円

この3名分を合計すると、相続税総額は1,450万円となります。

参考:No.4155 相続税の税率|国税庁

参考:No.4132 相続人の範囲と法定相続分|国税庁

実際に取得する遺産割合で税額を決定する

さらに、この相続税総額を実際の取得割合に応じて分けます。

  • 配偶者:1,450万円×40%=580万円
  • 長男:1,450万円×30%=435万円
  • 長女:1,450万円×30%=435万円

この数字が、各相続人が支払うべき相続税の基準額です。

控除制度を適用し最終税額を確定する

最後に、控除制度を使えるかどうかを確認します。今回のケースでは、配偶者控除が適用可能です。このケースで実際に取得した配偶者の遺産額は1億4,800万円×40%=5,920万円です。この額は「1億6,000万円」「法定相続分相当額1億4,800万円×1/2=7,400万円」のいずれよりも低いため、配偶者の相続税は0円になります。

配偶者控除は実際に取得した正味の遺産額が1億6,000万円までか、配偶者の法定相続分までであれば相続税がかからなくなる制度になります。

この流れを見ると、土地や財産規模が大きいケースほど、税計算が複雑になることがわかります。専門家が介入すると節税につながる場面も多いため、早めの相談が安心につながります。

参考:No.4158 配偶者の税額の軽減|国税庁

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相続税申告の手続き方法と必要書類

事業用資産の計算をする相続人

相続税申告の手続き方法と必要書類をご紹介します。

手続き方法

相続税の申告書は、被相続人の最後の住所地を管轄する税務署へ提出します。提出方法は税務署窓口への持参または郵送が基本で、提出期限は死亡を知った日の翌日から10ヵ月以内、手数料は不要です。

また、令和元年10月以降はe-Taxによる電子申告も可能となっており、インターネット上で申告・納税まで完結できます。この場合、税務署へ出向いたり郵送したりする必要はありません。ただし提出先は相続人の住所地ではない点には注意が必要です。

必要書類

相続税申告に必要な書類を以下にまとめました。

区分

書類の内容

被相続人・相続人に関する書類

  • 被相続人の戸籍謄本
  • 法定相続人全員の戸籍謄本
  • 法定相続情報一覧図の写し(戸籍謄本の代替可)

遺産の分割方法に関する書類

  • 遺産分割協議書の写し(または遺言書の写し)
  • 相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書に押印したもの)

相続財産に関する書類

  • 金融機関の残高証明書、通帳のコピー
  • 固定資産税評価証明書
  • 保険金の支払通知書
  • 借入金の残高証明書など

本人確認書類

  • マイナンバーカード(個人番号カード)裏面、通知カードの写し
  • 運転免許証、身体障害者手帳、パスポート、在留カード、公的医療保険の被保険者証などの写しなど

より詳しい内容を確認したい方は、国税庁が公表している「相続税の申告のためのチェックシート」も参考にしてください。

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相続税の計算を税理士に依頼すべきケース

相続税の計算をする夫婦

相続は、財産内容や人間関係によって難易度が大きく変わります。手続きが複雑になりそうな場合は、税理士へ依頼することを検討しましょう。ここでは依頼をすべき代表的な3つのケースを紹介します。

財産内容が多い・評価が難しい場合

相続財産の数が多いと、その分だけ名義変更や各種手続きが増え、手間と時間が大幅にかかります。例えば以下のようなケースでは注意が必要です。

  • 複数の不動産がある
  • 預金口座が多数ある
  • 有価証券や投資信託が複数ある
  • 海外資産や事業資産を含んでいる

また、相続税申告で必要となる財産評価の中でも、土地・建物・非上場株式などは特に難易度が高いです。誤った評価は税額の誤差や税務調査のリスクにもつながります。

こうした状況では、税理士に財産調査と評価、相続税申告までまとめて任せることで、正確性と安心感が得られます。

相続人が多い、または関係性が複雑な場合

相続人が複数いると、遺産分割の意見をまとめるのが難しくなります。特に次のようなケースは揉めるリスクが大きいでしょう。

  • 相続人同士が疎遠
  • 遠方に住む相続人がいる
  • 連絡が取れない人がいる
  • 再婚・離婚による血縁関係が複雑

このような状況では、弁護士や税理士に間に入ってもらうことで、スムーズに話が進む可能性が高まります。専門家が第三者として客観的な意見をまとめてくれるため、感情的なトラブル予防にもつながります。

仕事が忙しく、手続きの時間が取れない場合

相続手続きは平日日中の対応が多いため、働きながら必要な書類をそろえたり役所で待機したりするのは簡単ではありません。平日は仕事で休めない、子育てや介護で時間がないなどの理由で書類を集める余裕がない人も多いかと思います。

そのようなケースでは司法書士や行政書士などの専門家に依頼すれば、資料収集や名義変更まで代行してもらえることが多いです。負担を軽くしながら期限内に正しく手続きを済ませたい人こそ、専門家に依頼すべきと言えるでしょう。

まとめ

相続税の申告は、財産調査から税額計算、書類作成まで多段階の作業が必要であり、内容を正確に理解しておくことが重要です。今回取り上げたように、相続税の計算は非常に複雑です。

実際の相続税額は最終的な遺産の取得割合に応じて決まるため、遺産分割協議とも深く関係します。また、不動産評価や証券評価が必要になるケースでは、誤りが生じやすく、税額に大きな差が出ることも珍しくありません。相続人が多い場合や人間関係が複雑な家庭では、遺産分割協議が難航する可能性もあり、専門家の介入が大きな助けになります。

相続税の申告は、10ヵ月以内という期限もあるため、早めの準備と適切な判断が必要です。少しでも不安がある方、専門家に任せたいと考えている方は「やさしい相続相談センター」へお気軽にご相談ください。経験豊富な税理士が、状況に合わせて丁寧にサポートいたします。

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相続税申告は『やさしい相続相談センター』にご相談ください。

相続税の申告手続きは初めての経験で不慣れなことも多くあると思います。
しかし適正な申告ができなければ、後日税務署の税務調査を受け、思いがけず資産を失うこともある大切な手続きです。

やさしい相続相談センターでは、お客様の資産をお守りする適切な申告をサポートさせていただきます。
初回相談は無料です。ぜひご相談ください。

また、金融機関不動産関係者葬儀関連企業税理士・会計士の方からのご相談やサポートも行っております。
小谷野税理士法人の相続専門スタッフがお客様へのサービス向上のお手伝いをさせていただきます。

監修者

山口 美幸

山口 美幸 小谷野税理士法人 パートナー税理士・センター長

96年大手監査法人入社、98年小谷野公認会計士事務所(小谷野税理士法人)入所。

【執筆実績】
「いまさら人に聞けない『事業承継対策』の実務」(共著、セルバ出版)他

【メッセージ】
亡くなった方の思い、ご家族の思いに寄り添って相続の手続きを進めていきます。税務申告以外の各種相続手続きも、ワンストップで終了するように優しく対応します。