2500万円の家に相続税はいくらかかる?家の相続に使える特例・制度も紹介
家を相続するとき、まず気になるのが「相続税はいくらかかるのか」という点です。現金や預貯金とは違い、家の評価額は購入額とは異なり、土地や建物の価値を専門的に算出する必要があります。さらに、配偶者控除や小規模宅地等の特例など、適用できる制度によって相続税を大幅に減らせるケースもあります。本記事では、2,500万円の家を例に、相続税の計算方法や使える特例、手続きの流れまで、初心者にも分かりやすく解説します。
目次
家の相続税を計算する方法

家の相続税を計算する際は、まず相続税評価額を把握しなくてはいけません。相続税評価額とは、相続発生時点での財産の時価のことを指します。
現金や預貯金はそのまま評価額になります。しかし不動産や株式など価値が変動する財産は、国税庁の財産評価基本通達に基づき評価額を算出する必要があります。
家の場合、購入金額がそのまま相続税評価額になるわけではなく、多くの場合、購入額より低くなることが一般的です。購入額で計算してしまうと、相続税を余分に支払うリスクがあります。
基礎控除を超える場合には相続税が発生するため、申告と納税が必要です。すべての財産の評価額を算出したら、合計額が基礎控除を超えているかを確認しましょう。
「うちの場合はどうなる?」「本当に税金がかかるの?」と不安な方は、一度専門家に相談するのがおすすめです。「やさしい相続相談センター」では、初めての方にも分かりやすく相続税の見込み額や必要な手続きについてサポートしています。
参考:財産評価|国税庁
相続した家の評価額を計算する方法

家を相続する場合には「建物」と「土地」は別々に評価します。これは、それぞれ評価方法が異なるためです。以下ではそれぞれの評価方法を計算する方法を解説します。
建物の評価方法
建物の相続税評価額は、「固定資産税評価額 × 1.0」で計算します。
つまり固定資産税評価額=そのまま相続税評価額となります。一般的には建物の相続税評価額は公示価格の約60〜70%が目安です。なお、固定資産税評価額は次の書類で確認できます。
- 固定資産税課税明細書(毎年4月に届く)
- 固定資産税評価証明書(市区町村で取得)
最も簡単なのは、毎年4月頃に届く「固定資産税納税通知書」に同封されている課税明細書で確認する方法です。相続税評価額の計算には、相続が発生した年(被相続人が亡くなった年)の課税明細書を使用します。
土地の評価方法
土地の相続税評価額は、次のどちらかで計算します。
- 路線価方式
- 倍率方式
路線価(ろせんか)とは、国税庁が毎年公表している「道路に面した土地1㎡あたりの価格」です。土地に路線価が設定されている場合は路線価方式、設定がない場合は倍率方式で計算します。
一般的に、市街地や住宅地は路線価方式、郊外は倍率方式が使われます。路線価の有無は、国税庁の「路線価図・評価倍率表」で確認できます。所在地を検索し、路線価の金額があれば路線価方式、「倍率地域」と表示されていれば倍率方式を用います。
土地の相続税評価額は「路線価方式」と「倍率方式」のどちらを使うかで金額が大きく変わります。また、土地の形状や利用状況によって補正が必要になるケースもあり、正確な計算には専門的な判断が必要です。「やさしい相続相談センター」では、お客様の状況に合わせて適切な評価方法や節税のポイントを分りやすく丁寧にご説明いたします。
2500万円の家に相続税はいくらかかる?

被相続人の財産が2,500万円の家のみの場合、相続税はかかりません。相続税は「基礎控除」を超えた部分にのみ課税されます。基礎控除は、「3,000万円+(法定相続人の数×600万円)」で計算します。
例えば法定相続人が1人なら基礎控除は3,600万円、2人なら4,200万円となり、2,500万円はどの場合も基礎控除内に収まります。したがって、財産が2,500万円の場合は相続税の納税も申告も不要です。
2500万円の家でも相続税が発生する可能性があるケース
結論から言うと、表面上2,500万円の財産でも、相続税がかかるケースがあります。
相続財産の見落としによるケース
預貯金や不動産以外にみなし相続財産・生前贈与財産・名義預金などがある場合、遺産総額が基礎控除を超えることがあります。自身での把握は手間がかかりますが、見落とすと思わぬ相続税が発生する可能性があるため注意が必要です。
また借金などの負債も相続対象となるため、引き継ぎたくない場合は相続発生から3ヵ月以内の相続放棄が必要です。
不動産や株の評価額が不正確なケース
不動産や株式は、相続税評価額の計算が必要です。評価を誤って過少評価して申告すると税務署から修正を求められるため、結果として相続税が発生することがあります。特に土地は評価方法が複雑で、専門知識なしで正確に計算するのは困難です。
家を相続するときに使える特例・制度
家を相続する際には、税負担を軽減したり配偶者の生活を守ったりできる特例や制度があります。ここでは代表的なものを分かりやすく解説します。
配偶者の税額軽減(配偶者控除)
配偶者が家を相続する場合、最低でも遺産額が1億6,000万円までは相続税がかからない「配偶者の税額軽減」が適用されます。多くの場合、配偶者が相続する家に相続税は発生しません。ただし、適用には相続税申告が必要です。
相次相続控除
10年以内に二次相続が発生した場合、前回の相続で納めた税額の一部を控除できる制度です。例えば父→母→子への相続が短期間で起きた場合、同じ財産に課税される負担を軽減できます。控除額は相続間隔によって変動します。
おしどり贈与(生前贈与の配偶者控除)
家の相続税を抑えたいなら、生前贈与を活用することができます。婚姻20年以上の配偶者に対して、居住用の家または取得資金を2,000万円まで非課税で贈与できる制度です。相続税の配偶者控除で十分な場合は不要ですが、配偶者の税額軽減を超える場合や、家の取得資金を贈与する場合に有効です。
参考:No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除|国税庁
配偶者居住権
配偶者が家に住み続けられる権利を保障する制度です。家の所有権と居住権を分けることで、配偶者の住居を確保しつつ、他の相続人も財産を受け取れます。ただし、居住権を第三者に譲渡したり賃貸したりすることはできません。
家の敷地の相続税を大幅に減らせる「小規模宅地等の特例」とは
家の土地の相続税を大幅に減額できる制度として小規模宅地等の特例があります。この特例を使うと、被相続人が住んでいた自宅や事業用の土地について、条件を満たせば相続税評価額を最大80%減額できます。要件は土地の利用方法によってことなりますが、例えば適用で以下の場合です。
- 配偶者が相続する場合:無条件で適用可能
- 同居していた親族が相続する場合:相続開始直前から申告期限まで土地に居住していることが必要
- 別居していた一定の親族:別途要件あり
短期間の同居でも要件を満たせば適用できるため、早めに確認しておきましょう。ただし特例を使って相続税がゼロになった場合でも、必ず相続税申告が必要な点に注意してください。
参考:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁
家を相続するときの手続きの流れ
以下では家を相続するときの手続きの流れをまとめました。
遺言書の有無確認と死亡届の提出
相続は被相続人の死亡によって開始します。まず遺言書の有無を確認し、市区町村に死亡届を提出しましょう。
遺産分割の協議
財産や債務をすべて確認した上で、相続人全員で遺産分割の協議を行います。遺言書がある場合は基本的にその内容に従いますが、全員の同意があれば内容を変更して分割可能です。
相続税の申告(必要な場合のみ)
相続財産が基礎控除額を超える場合、相続税の申告が必要です。特例により納税不要でも、申告書にその旨を記載する必要があります。申告期限は死亡を知った日の翌日から10ヵ月以内です。
家の名義変更(相続登記)
遺産分割協議が終了したら、早めに法務局で相続登記を行いましょう。必要書類が多いため、事前の準備が重要です。
家の相続税計算や手続きに不安があれば税理士に相談しよう
家の相続税の計算や手続きは、土地や建物の評価方法、特例の適用、申告期限など、複雑で間違いやすいポイントが多くあります。そのため「自分で手続きを進めるのは不安」という方は、相続に詳しい税理士に相談するのがおすすめです。
税理士に相談すれば、正確な評価額の算出や小規模宅地等の特例の適用、申告書の作成までスムーズに進められ、後からトラブルになるリスクも減らせます。特に初めての相続や財産が複雑な場合は、早めに専門家に相談することで安心して手続きを進められるでしょう。
まとめ
家を相続する際は、単に家を受け取るだけでなく、被相続人の財産全体を把握して手続きを進めることが大切です。相続税は基礎控除を超えた財産にのみ課税されますが、評価額の誤りや財産の見落としによって予想以上の税金がかかることもあります。
一方で、配偶者控除や小規模宅地等の特例、相次相続控除などを活用すれば、税負担を大幅に減らせる可能性があります。手続きの流れも、遺言書の確認、遺産分割協議、相続税申告、名義変更と順序立てて進めることがポイントです。
不安がある場合は、早めに相続に詳しい税理士に相談することで、正確な評価や申告、特例の適用まで安心して進められます。まずは「やさしい相続相談センター」に相談して、家族に負担を残さない相続を目指しましょう。
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監修者

山口 美幸 小谷野税理士法人 パートナー税理士・センター長
96年大手監査法人入社、98年小谷野公認会計士事務所(小谷野税理士法人)入所。
【執筆実績】
「いまさら人に聞けない『事業承継対策』の実務」(共著、セルバ出版)他
【メッセージ】
亡くなった方の思い、ご家族の思いに寄り添って相続の手続きを進めていきます。税務申告以外の各種相続手続きも、ワンストップで終了するように優しく対応します。


