相続手続きの費用相場は?専門家と自分でする場合に分けて解説

相続手続きの費用相場は?専門家と自分でする場合に分けて解説

相続手続きは何から始めればいいか分からず費用がどのくらいかかるのか不安に感じる人も多いでしょう。専門家に依頼すると費用がかかるし、自分で手続きする場合も書類の準備や手続きの流れが複雑で迷ってしまいがちです。そこで本記事では弁護士・税理士・司法書士・行政書士など専門家に依頼した場合の費用相場を詳しく解説します。また、自分で手続きを行う場合の費用や手順についても紹介するのでぜひ参考にしてください。

【専門家別】遺産相続手続きの代行費用

現金・預金

遺産相続手続きの代行費用を専門家別にご紹介します。

弁護士の費用相場

弁護士費用は、依頼内容や争いの有無によって大きく変動します。内訳は「着手金(依頼時に支払う基本料金)」と「報酬金(成功報酬)」で、得られた経済的利益を基準に算出するのが一般的です。

現在は弁護士が自由に報酬を設定できますが、多くの事務所が旧報酬基準を参考にしています。

利益額

着手金

報酬金

300万円以下

8%

16%

3,000万円以下

5%+90,000円

10%+18万円

3億円以下

3%+69万円

6%+138万円

3億円超

2%+369万円

4%+738万円

このほか、遺産分割協議書の作成や相続放棄・限定承認などの手続きには、別途手数料が発生する場合もあります。

税理士の費用相場

相続税申告を税理士に依頼する場合の費用相場は、遺産総額の0.5~1.0%程度が一般的です。ただし相続財産の構成や相続人の人数、依頼内容によって費用は前後します。

また、事務所によっては財産目録や遺産分割協議書など、申告以外の書類作成に別途手数料がかかる場合もあります。相続税申告は複雑な判断が多いため、料金だけでなく「相続税に強い税理士かどうか」を重視しましょう。

司法書士の費用相場

司法書士に相続登記を依頼する場合、10万~15万円程度が一般的な相場です(登録免許税などの実費は別途)。ただし、不動産の筆数や相続人の人数、固定資産税評価額によって費用が変動します。

複数の不動産を所有している場合や、共有名義が多いケースでは、あらかじめ見積もりをとって費用を確認しておきましょう。

行政書士の費用相場

行政書士へ書類作成を依頼する場合、内容によって費用が異なります。例えば遺産分割協議書の作成なら約30,000円前後、相続人への通知文書作成なら約20,000円前後が目安です。

一方で、戸籍収集や相続関係説明図の作成などを含むフルパッケージプランでは20万~30万円程度になることもあります。依頼前にどの範囲を代行してもらいたいか整理し、行政書士にプラン内容を確認しておくと安心です。

手続きの中でも特に相続税の計算や特例の適用判断を誤ると、納税額が大きく変わることもあるため、相続税に強い税理士への依頼が安心です。「やさしい相続」では、経験豊富な税理士が相続財産の調査から申告・節税対策まで一貫してサポートいたします。初回相談は無料ですので、相続の費用や手続きにお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。

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相続手続きを自分でする場合の費用相場と内訳

相続と贈与で悩む夫婦

自分で相続手続きを行う場合の費用は、シンプルな相続であれば3,000円程度です。現金・預貯金・株・証券・貴金属・骨董品のみの場合は必要書類を取得するだけで済みます。そのため特別な費用はかからず、手続き費用は3,000円程度で完了します。

不動産や車などの財産が含まれる場合は登記や名義変更などの追加手続きが必要となり、基本相場より高額になる可能性があります。どの財産が含まれるかで手続き費用は大きく変わるため、事前に財産の種類を確認して準備しておきましょう。

各種届け出

相続発生後の各種届け出は原則無料で行えます。各種届け出は費用がかかりませんが、書類取得費用のみが必要な場合があります。

遺言書の確認

自筆証書遺言や秘密証書遺言がある場合は、家庭裁判所で検認手続きが必要です。検認費用の目安は以下の通りです。

項目

費用

遺言書1通あたりの収入印紙代

800円

検認証明書の収入印紙代

150円

合計

950円

公正証書遺言や法務局保管の自筆証書遺言は検認不要です。

相続人調査

戸籍の収集が必要で、ケースにより取得費用が変動します。必要書類は被相続人と相続人の戸籍謄本で、取得費用は1通あたり約450円です。家族構成や過去の婚姻歴によって必要書類が増減します。

相続財産調査

預貯金・不動産・有価証券・ローンなどすべての財産を調査する必要があります。書類取り寄せの手数料や評価費用が発生することがあります。

相続放棄

借金がある場合は、相続放棄手続きを3ヵ月以内に行うことで負担を回避できます。手続き費用の内訳は以下の通りです。

項目

費用

相続放棄申述書の収入印紙代

800円

郵便切手代

約500円

住民票除票・戸籍附票

約300円

戸籍(除籍・改製原戸籍)

約750円

合計

約2,350円

期限を過ぎると単純承認となり、借金も相続することになります。

準確定申告

被相続人の生前の所得がある場合、相続人が代わりに申告する手続きです。こちらに関して負担する費用はありません。

申告期限は相続を知った日の翌日から4ヵ月以内で、申告先は被相続人の最後の住所地の税務署です。年末調整済みなどで申告不要の場合もあります。

遺産分割協議

協議書作成は原則無料ですが、合意できない場合は家庭裁判所で調停・審判手続きが必要です。もし弁護士などに依頼する場合は費用が発生します。

相続財産の名義変更

不動産や車両は名義変更に費用がかかります。車両は3,000円以上、不動産は評価額に応じて変動します。なお預貯金や株式、貴金属などは原則無料です。

相続税申告

基礎控除額を下回る場合、申告は原則不要です。基礎控除額の計算式は「基礎控除額:3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」です。

申告期限は被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヵ月以内で、相続税控除制度により、一定条件で税負担を軽減することも可能です。

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遺産相続の手続き費用は誰が払うべき?

相続税の税理士費用は、誰が負担しても問題ありません。法律で「特定の人が支払うべき」と定められているわけではなく、相続人全員の話し合いによって自由に決められます。一般的には、相続人全員で費用を分担するケースが多いものの、特定の相続人が全額を負担することも可能です。

遺言や遺産分割協議で財産の取り分が決まった後、費用の負担割合についても協議するとスムーズです。なお、遺産分割で揉める可能性がある場合は、早めに税理士や弁護士などの専門家へ相談しましょう。

特に相続税の申告や控除の適用判断は複雑で、専門知識がないと損をしてしまうケースもあります。「やさしい相続」では、経験豊富な税理士が相続財産の調査から節税対策・申告まで一貫してサポートいたします。初回相談は無料で、相続人間の費用負担や節税の最適な進め方も丁寧にご案内します。

所得税の経費に算入できる主な相続関連費用

相続関連で所得税の必要経費として認められる代表的な費用は以下の2つです。

相続登記にかかる費用

不動産を相続した場合、相続登記にかかる費用は不動産所得や譲渡所得の経費として扱えます。具体例は以下の通りです。

  • 登録免許税
  • 書類取得費用
  • 専門家に依頼した相続登記の代行報酬

ただし土地や建物を相続した場合、相続登記は義務化されており、3年以内に手続きを完了する必要があります。

不動産の固定資産税

相続した不動産の固定資産税も経費として計上できる場合があります。ポイントは「納税通知書の受領タイミング」です。

  • 相続開始後に届いた通知書 → 相続人の確定申告で経費計上可能
  • 相続開始前に届いた通知書 → 被相続人の準確定申告で経費算入

上記のような場合は、残額を相続人の確定申告で経費に計上可能です。

まとめ

相続手続きの費用は、専門家に依頼する場合と自分で行う場合で異なります。弁護士に依頼すると、着手金や報酬金が発生し、遺産分割協議や相続放棄などに追加費用がかかる場合があります。

税理士は相続税申告額の0.5~1.0%が目安で、相続財産の内容や相続人数によって変動します。司法書士は不動産登記で10万~15万円、行政書士は書類作成で数万円から20~30万円程度が相場です。

自分で手続きを行う場合は、現金・株式・貴金属などの財産のみなら3,000円程度で完了します。しかし不動産や車両が含まれる場合は追加手続きが必要で費用が高くなる可能性があります。

また、相続登記や固定資産税など、一部の費用は所得税の経費として計上できる場合があります。相続人間で費用負担を決める際には、遺言や分割協議を踏まえて公平に話し合うことが重要です。

相続の費用や手続きをスムーズに進めたい方は、専門の税理士サービス「やさしい相続」がおすすめです。相続税の申告だけでなく、遺産分割のアドバイスや財産評価まで一貫してサポートしており、複雑な相続でも安心してお任せいただけます。無料相談も受け付けているため、まずはお気軽にご相談ください。

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相続税の申告手続きは初めての経験で不慣れなことも多くあると思います。
しかし適正な申告ができなければ、後日税務署の税務調査を受け、思いがけず資産を失うこともある大切な手続きです。

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監修者

山口 美幸

山口 美幸 小谷野税理士法人 パートナー税理士・センター長

96年大手監査法人入社、98年小谷野公認会計士事務所(小谷野税理士法人)入所。

【執筆実績】
「いまさら人に聞けない『事業承継対策』の実務」(共著、セルバ出版)他

【メッセージ】
亡くなった方の思い、ご家族の思いに寄り添って相続の手続きを進めていきます。税務申告以外の各種相続手続きも、ワンストップで終了するように優しく対応します。