遺産相続手続きの代行費用相場は?安くするための3つのコツも紹介!

遺産相続手続きの代行費用相場は?安くするための3つのコツも紹介!

遺産相続の手続きは、相続人や財産の調査、分割協議、不動産登記や相続税申告など多岐にわたり、多くの時間と知識が求められます。ただし依頼先によって費用相場や対応できる範囲は異なり、銀行や信託銀行に依頼する場合はさらに高額になることもあります。本記事では、遺産相続手続きの代行費用の相場、自分で行う場合との違い、さらに費用を抑えるためのコツや代行を依頼すべきケースについて分かりやすく解説します。

遺産相続手続きの代行費用

賃貸不動産の評価

相続手続きを専門家に依頼するときの主な費用相場と対応できる業務をまとめると、次のようになります。

依頼先

費用の目安

主な対応内容

弁護士

20万円~

遺産分割協議の代理

遺産分割協議書の作成

相続人の代理人としての手続き全般

司法書士

10万円~

相続人の代理人としての各種手続き

不動産の名義変更・登記申請

税理士

遺産総額の0.5~1.0%

相続税の評価・計算・申告書作成

行政書士

10万円~

相続財産の調査

必要書類の取得代行

各種申請書類の作成

財産の名義変更手続き

銀行・信託銀行

100万円~

相続関連の窓口業務弁護士・司法書士など専門家の紹介

依頼先によって対応できる範囲が異なるため、目的に合わせて選ぶことが大切です。特に、相続人の代理人として「遺産整理受任者」となれるのは、弁護士と司法書士に限られます。

また料金体系やサービス内容は事務所ごとに差があるため、複数の専門家から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。

相続手続きに関するお悩みがあれば、初回無料相談をご利用ください。秘密厳守で専門の税理士が対応いたします。相続手続きを検討している方は、ぜひ一度「やさしい相続相談センター」へご相談ください。

大切な方を亡くされたご心痛、お察しいたします。

私たちは単なる手続き代行ではありません。ご家族のお気持ちに寄り添い、円満な相続が完了するまで最後まで伴走します。

遺産相続手続きを自分で行う場合の費用

不動産の売却・現金化

遺産相続手続きを自分で行う場合の費用相場を以下の表にしてまとめました。

費用項目

自分で行う場合

不動産の調査費(実費)

0〜2,000円程度

必要書類の取得費(実費)

5,000〜30,000円程度

登録免許税

固定資産税評価額の0.4%(相続人以外に遺贈する場合は2.0%)

専門家報酬

その他実費

郵送費、役所や法務局への交通費、遺産分割協議に伴う交通費など

合計

約5,000〜50,000円程度+登録免許税

※実費により変動する場合があります。

自分で行えば費用を抑えられるものの、書類収集や法務局での手続きに多くの時間と労力が必要です。そのため、スムーズに確実な登記を行いたい場合には、専門家へ依頼するのが一般的です。

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私たちは単なる手続き代行ではありません。ご家族のお気持ちに寄り添い、円満な相続が完了するまで最後まで伴走します。

遺産相続手続きの代行以外にもかかる費用

相続税の配偶者控除

戸籍や住民票などの書類取得費用、専門家への依頼料以外にも、相続が始まるとさまざまな出費が生じます。代表的なものは以下の通りです。

相続税

相続税は、被相続人の財産(土地・建物・預貯金など)を承継した際に課されます。ただし、すべての相続で課税されるわけではありません。基礎控除額を超えた場合にのみ相続税が発生します。

基礎控除額の計算式は「基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の人数」です。

例えば、法定相続人が3名の場合は「3,000万円+1,800万円=4,800万円」が非課税枠となります。遺産総額が4,800万円を超える場合、その超過分に応じて所定の税率をかけて相続税を計算します。

また、配偶者控除や小規模宅地等の特例などを活用すれば、税額を大きく軽減できるケースもあります。しかし株式や不動産など評価の難しい資産を含む場合、自己計算では誤りが生じやすく、申告漏れによる追徴課税のリスクもあります。そのため、相続税申告は税理士に相談するのが安心です。

参考:Q&A ~身近な税について調べる~|財務省

相続放棄

相続財産に借入金や未払い債務が多い場合、相続放棄によって負債を引き継がずに済む方法があります。相続放棄を行うには家庭裁判所での手続きが必要で、1人あたり3,000〜5,000円程度の費用がかかります。内訳は、裁判所へ納める申立手数料(郵便切手等を含めて約1,300円)と、必要書類(戸籍謄本や除籍謄本)の取得費用が主なものです。

遺産相続手続きの代行費用を安くするためのコツ

以下では遺産相続手続きの代行費用を安くするためのコツについて解説します。

複数の事務所で見積もりをとる

相続手続きの代行費用は、事務所や法人ごとに自由に設定できます。そのため、いくつかの事務所から見積もりを取り、比較検討することが大切です。安い価格の事務所を見つければ費用を抑えられますが、金額だけで判断するのは危険です。

高額でもサービスの質が高く、安心して手続きを任せられる場合があります。『豊富な実績』『信頼できる担当者』『サービス内容に見合った価格』なども含めて総合的に判断しましょう。

自分でできる手続きは自分で行う

相続手続きを全て専門家に依頼する場合と、一部だけ依頼する場合では費用が異なります。

費用を抑えたい場合は、簡単にできる手続きは自分で行い、複雑な手続きだけ専門家に任せると効率的です。

例えば以下の手続きは自分でも対応しやすいです。

  • 印鑑証明書や戸籍・住民票の取得
  • 銀行の残高証明書取得
  • 預貯金・証券口座の解約や名義変更

以上のように、相続手続きのうち自分で対応可能な部分は自分で行うと費用を抑えやすいです。複雑で専門知識が必要な手続きだけ専門家に依頼すれば、費用を抑えつつ手続きをスムーズに進められるでしょう。

銀行や信託銀行の相続代行サービスに注意

銀行や信託銀行では、相続手続きを一括で代行するサービスがあります。便利ですが、多くの場合、実務は司法書士などの専門家に外注されるため、仲介手数料が追加でかかるケースがあります。費用の内訳を確認し、納得した上でサービスを利用しましょう。

遺産相続手続きの代行を検討すべきケース

以下では遺産相続手続きの代行を検討すべきケースを解説します。

兄弟や甥・姪が相続人になる場合(代襲相続を含む)

相続人が兄弟姉妹や甥・姪となる場合、相続人の確定や戸籍の収集が複雑になりがちです。

遺産分割の協議もまとまりにくいため、法的根拠をもとに調整できる専門家のサポートが有効です。

相続人同士の関係が悪い・疎遠な場合

相続人同士が不仲、あるいは疎遠で連絡が取りにくいケースでは、当事者間のやり取りがトラブルに発展しやすいものです。第三者である専門家を介することで、冷静かつスムーズに手続きを進められます。

先祖代々の名義が残っている不動産の相続

長期間放置された不動産の名義変更では、相続人が数十人にのぼる場合もあります。さらに、戦前の旧民法に基づく戸籍を遡る必要があり、一般の方がすべて対応するのは非常に困難です。

代償分割・換価分割を行う場合

遺産の多くが不動産で現金化しにくい場合には、以下のような特殊な分割方法を取る必要があります。

  • 代償分割:特定の相続人が現物を取得し、他の相続人に金銭を支払う方法
  • 換価分割:不動産を売却して代金を分配する方法

これらは相続税の計算や法律面で高度な知識が必要になるため、司法書士や税理士に相談することを強くおすすめします。

納税期限までに不動産を売却したい場合

相続税の納付資金を確保するため、不動産を期限までに売却しなければならないケースもあります。売却には数か月を要するため、資料作成や分割協議をいちから行っていると期限に間に合わなくなるリスクもあります。専門家に任せることで、期限内に確実に手続きを終えることが可能です。

相続手続きに関するお悩みがあれば、初回無料相談をご利用ください。秘密厳守で専門の税理士が対応いたします。相続手続きを検討している方は、ぜひ一度「やさしい相続相談センター」へご相談ください。

遺産相続手続きの代行を依頼するのがおすすめな人

相続に関する手続きは内容が複雑で、時間や労力が大きくかかります。状況によっては、専門家に代行を任せる方がスムーズで安心です。以下では、特に代行依頼を検討すべきケースを解説します。

忙しくて時間を確保できない

相続手続きには多くの書類収集や役所・金融機関での手続きが必要で、平日に複数回足を運ばなければならない場合があります。仕事や家庭で忙しい方にとっては大きな負担となるため、専門家に任せることで効率的に進められます。

相続人が多い

相続人が多いと、遺産分割協議に全員の同意を得るのが難しくなり、意見の対立が起きやすいです。専門家が仲介することで、公平で円滑な話し合いが可能になります。

遠方に住んでいる

被相続人の居住地が遠方にある場合、現地での手続きに何度も通うのは大変です。専門家を通じて手続きを進めることで、距離の問題を解消できるでしょう。

複雑な財産を相続する

不動産、株式、事業用資産などが含まれる相続は、評価や名義変更の手続きが複雑です。専門家はそれぞれの資産に応じた適切な処理を行うため、複雑な相続財産を持つ方には依頼をおすすめします。

相続税の申告が必要

相続税の計算や申告は専門性が高く、ミスや申告漏れは大きなリスクにつながります。税理士に依頼すれば正確な申告が可能になり、余計なトラブルを防げます。

まとめ

遺産相続の手続きは、依頼先によって費用や対応範囲が大きく異なります。費用を抑えたい場合は、複数の事務所で見積もりを比較したり、戸籍や住民票の取得など自分でできる手続きを進めましょう。また、相続人が多い場合や不動産・株式など複雑な資産を含む場合は、専門家に依頼した方が安心で確実です。

相続税の申告が必要なケースでは、誤りや申告漏れを防ぐために税理士のサポートが必要となります。状況に応じて適切な専門家を選び、負担を減らしながらスムーズに相続手続きを進めましょう。

相続手続きでお悩みを抱えている方は、まずはお気軽にお話ししてみませんか?相続手続きを検討している方は、ぜひ一度「やさしい相続相談センター」へご相談ください。

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相続税の申告手続きは初めての経験で不慣れなことも多くあると思います。
しかし適正な申告ができなければ、後日税務署の税務調査を受け、思いがけず資産を失うこともある大切な手続きです。

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監修者

山口 美幸

山口 美幸 小谷野税理士法人 パートナー税理士・センター長

96年大手監査法人入社、98年小谷野公認会計士事務所(小谷野税理士法人)入所。

【執筆実績】
「いまさら人に聞けない『事業承継対策』の実務」(共著、セルバ出版)他

【メッセージ】
亡くなった方の思い、ご家族の思いに寄り添って相続の手続きを進めていきます。税務申告以外の各種相続手続きも、ワンストップで終了するように優しく対応します。