遺産相続について税理士に相談するべき?メリットや選び方を解説!

生前贈与も含め、遺産相続に関する手続きを専門家に依頼せず、当事者間ですべて対応することは可能ではあります。
しかし、相続手続きはルールが厳格な上に複雑な部分が多く、専門知識のない人が正確に行うのは容易ではありません。特に相続税申告は少しのミスや漏れが大きなトラブルにつながる恐れもあるため、できれば専門家である税理士に相談するのが安心です。
今回は遺産相続について税理士に相談するメリットや税理士への相談がおすすめなケース、相談先の選び方について解説します。
目次
遺産相続について税理士に相談するメリット3選
はじめに、遺産相続について税理士に相談するメリットを3つ紹介します。
[メリットその1]相続税申告のミスや漏れの心配がなくなる
遺産相続について税理士に相談することで、相続税申告のミスや漏れの心配がなくなります。
前提として、課税遺産総額が基礎控除額を超える場合は相続税申告が必須です。相続税の基礎控除額は「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」で計算します。
上記の基礎控除以外にもさまざまな控除を適用できるケースはありますが、基本的に遺産総額が控除額を超える場合は、相続税の申告が必要になるケースがあります。
相続税申告は多くの人にとって不慣れな手続きでありながらも、ルールが厳格かつ複雑でわかりにくい部分が多いです。その上、誤った内容で申告をしてしまうと追徴課税の対象になる恐れもあります。
遺産相続について税理士に相談すれば、相続税申告の必要性や進め方について正確なアドバイスを受けられます。相続税申告に関して少しでも不安や疑問があれば、税理士に相談するのが安心です。
関連記事:【税理士監修】相続税の基礎控除と法定相続人の解説。相続税の申告が不要になるケースは?
関連記事:相続税の税務調査の時期はいつ?調査期間・範囲や調査が来るのが多いタイミングを解説!
[メリットその2]各々に適した節税対策ができる
税理士に相談すれば、各々に適した節税対策も可能になります。
最適な節税対策の進め方はケースによって異なるため一概にはいえません。なお、税金について個別具体的なアドバイスやサポートができるのは税理士のみです。
特例制度の種類や概要など一般的な内容であれば税務署でも説明を受けられますが、各人の状況に応じた細かな内容までは対応できません。「どの制度であれば利用できるか」「どの制度を利用するべきか」の提案も税務署では期待できません。
自身に適した節税対策を行うためには、税理士への相談が必須といえます。
関連記事:【税理士監修】相続税は節税できる?利用したい控除と効果的な対策方法
[メリットその3]相続税関連の手続きの代行依頼が可能
税理士は税務関連の手続きの代行も可能です。すなわち、相続税についての相談だけでなく、相続税の計算・申告手続きなど、相続税関連の手続きの代行も依頼できます。相続税関連の手続きの負担を最小限に抑えられる点も、税理士に相談するメリットといえるでしょう。
なお、手続きの代行依頼をするのであれば、相続関連の手続きをワンストップで依頼できる税理士を選ぶのがおすすめです。司法書士や行政書士などと連携している税理士を選べば窓口が1ヵ所で済むため、相続手続きに関する依頼の負担を抑えられます。
「やさしい相続相談センター」はグループ法人による相続手続きのワンストップサービスを提供しています。司法書士や行政書士との連携により、一括での対応が可能です。 |
遺産相続について税理士への相談がおすすめなケースの例
結論として、相続税が発生する場合はほぼすべてのケースで税理士に相談するのがおすすめです。
課税遺産総額や税額の計算がごく単純な場合を除き、相続税の計算や申告に際して高度な専門知識が求められるためです。
以下では「ごく単純な場合」に該当せず、税理士へ相談するべきといえるケース3つを紹介します。
[ケース1]建物や土地など評価額の計算が難しい財産
相続財産の中に建物や土地など評価額の計算が難しい財産が含まれる場合、税理士へ相談するのが安心です。
相続税評価額の計算方法は、通常の不動産評価額の計算方法とは異なります。基本的なルールは単純に見えますが、実際は土地の形状や借地権の有無など考慮するべき事項が多く、複雑な計算が必要です。
不動産は評価額が高額になりやすく、課税遺産総額の大部分を占めることもあります。すなわち、相続税評価額が相続税額を大きく左右する可能性も高いのです。したがって、相続財産に不動産が含まれる場合は税理士への相談をおすすめします。
関連記事:【税理士監修】相続した不動産の評価額はいくら?調べ方と評価額を軽減する方法を解説
[ケース2]相続人が複数人いる
相続人が複数人いる場合、相続人が1人の場合に比べて相続税の計算過程が複雑です。
特に、数字相続や代襲相続が発生して、法定相続人が変わるケースでは計算式が変わってきます。また、小規模宅地等の特例を利用して減額を考慮する際には、相続人全員の同意が必要となる場合もあります。
そうなると、計算過程のミスだけでなく、相続人間での意見の相違がトラブルにつながるリスクも高まります。
相続税の計算や申告手続きを適切に行うために、相続人が複数人いる場合は税理士に相談することをおすすめします。
関連記事:代襲相続の相続税で気をつけたい基礎控除や2割加算とは?
関連記事:【税理士監修】小規模宅地等の特例とは?計算方法や適用要件をわかりやすく解説します
[ケース3]生前贈与による節税対策をしたい
生前贈与による節税対策をしたい場合は、遺産相続発生前のなるべく早い段階で税理士に相談するのがおすすめです。
贈与税の基礎控除額や相続時精算課税制度の仕組みを活用した生前贈与により、税負担を抑えながら財産を移転できる可能性があります。
しかし、適切な節税対策を行うには相続税・贈与税の両方について深い理解が必要です。やり方を誤ってしまう、あるいは合わない方法をとってしまうと、かえって税額が増えてしまう恐れもあります。
節税目的で生前贈与を行うのであれば、相続税や贈与税に強みをもつ税理士に相談した上で進めましょう。
関連記事:相続時精算課税制度とは?特別控除と新設の基礎控除を解説
関連記事:【税理士監修】生前贈与の方法とは?税務署に注意されないための手続きについて説明
遺産相続について相談する税理士を選ぶ際のポイント4点
一口に税理士といっても多くの選択肢が存在する上、人によって得意分野や強みが異なります。適切なアドバイスやサポートを受けるためには、相談したい内容に合う税理士を選ぶことが大切です。
以下では遺産相続について相談する税理士を選ぶ際のポイントを4つ紹介します。
[ポイント1]相続を専門・得意としているか
遺産相続の相談先を選ぶ上で最も重要なのは、相続税に強みをもつ税理士を選ぶことです。
相続税は税金の中でも特に複雑で難易度の高い分野といえます。そのため「相続税にも対応できる」ではなく、「相続税の専門である」「遺産相続を得意としている」税理士を選ぶことが大切です。
遺産相続について相談するのであれば、公式サイト等で相続税に特化している旨をアピールしている税理士をおすすめします。
「やさしい相続相談センター」は、財産評価から相続税の申告まで相続税全般に強い税理士法人です。もちろん生前からの相続税軽減のサポートも行います。 |
[ポイント2]相続税申告の実績や年間の対応件数を聞く
相続税申告の実績や年間の件数についても確認しましょう。
一般的な税理士の場合、相続税の申告件数は年に1〜2件程度といわれています。一方で相続税を専門とする税理士は年に10回以上、規模の大きい事務所であれば数十件にのぼることもあります。
相続税申告の回数が多いほど理解が深くノウハウも豊富なため、より適切なアドバイスやサポートが可能です。相続税申告の件数を確認し、実績が多い税理士を選ぶことが理想といえます。
「やさしい相続相談センター」は、25年以上にわたっての実績がございます。国税OBも在籍し、個人のお客様から法人企業様までさまざまなケースでの相続問題に適切なアドバイスをいたします。 |
[ポイント3]報酬額の計算方法が明確に提示されているか
相続税申告の税理士報酬は高額になりやすいため、報酬の計算方法についても確認が必須です。
一般的に、相続税申告の報酬額は遺産総額や財産の内容、相続人の数などによって決まります。そのため、相談の段階では正確な報酬額は明示できません。
しかし、料金体系が明確であれば報酬額の大まかな計算は可能です。また「請求段階になって初めて追加料金が発覚する」「想定を大きく上回る金額になる」等のトラブルのリスクも抑えられます。
料金に関するトラブルを避けるためにも、報酬額の計算方法が明確に提示されている税理士を選びましょう。
「やさしい相続相談センター」は明確で透明性の高い料金体系で安心してご依頼いただけます。 |
[ポイント4]やり取りの中に不満や違和感がないか
税理士と正式に契約するまでの間に、一般的には無料相談や電話・メールでのやり取りが行われます。このようなやり取りの中に不満や違和感がないか否かも、依頼先を選ぶ上での大切な基準です。
遺産相続について相談する以上、どうしてもセンシティブな話をする機会が多くなります。相性の悪い税理士や依頼者に寄り添わない税理士が相手の場合、やり取りが苦痛に感じる場面が多く起こるでしょう。しかしやり取りを避けてしまえば、必要な情報が税理士に伝わりきらず、適切な相続税申告や節税対策ができない可能性が高いです。
やり取りが苦痛となる事態を防ぐには、相性が良く信頼できる税理士を選ぶ必要があります。そのため、契約前のやり取りで不満や違和感がなく、安心して相談できると考えられる税理士を選びましょう。
遺産相続における税金関連は税理士に相談するのが安心
遺産相続の手続きは当事者が行うことも可能とはいえ、複雑なルールが多い上、高度な知識が求められる場面も存在します。
特に相続税は適用する特例や計算方法が少し違うだけで、税額が大きく変わってしまう可能性があります。過少申告となりペナルティの対象になるのはもちろん、必要以上に多く納付してしまうことも避けるべきでしょう。
税金関連は重要性が高い上に高度な知識が求められるため、専門知識のない人が行うのは難しいといえます。遺産相続における税金関連で疑問や悩みがあれば、専門家である税理士に相談するのが安心です。
一口に税理士といっても膨大な選択肢があります。遺産相続について相談するのであれば、相続を専門としており、相続税申告の実績が豊富な税理士を選びましょう。料金体系の明瞭度やコミュニケーションのしやすさも、税理士を選ぶ上での大切な基準です。
「そもそも相続税が発生するかがわからない」「これぐらいの遺産総額でも節税対策をするべき?」等、相談するべきかお悩みの人もいるでしょう。まずは無料相談を利用し、それから正式な依頼をするか検討するのも1つの手段です。
相続税申告は『やさしい相続相談センター』にご相談ください。
相続税の申告手続きは初めての経験で不慣れなことも多くあると思います。
しかし適正な申告ができなければ、後日税務署の税務調査を受け、思いがけず資産を失うこともある大切な手続きです。
やさしい相続相談センターでは、お客様の資産をお守りする適切な申告をサポートさせていただきます。
初回相談は無料です。ぜひご相談ください。
また、金融機関や不動産関係者、葬儀関連企業、税理士・会計士の方からのご相談やサポートも行っております。
小谷野税理士法人の相続専門スタッフがお客様へのサービス向上のお手伝いをさせていただきます。
監修者

山口 美幸 小谷野税理士法人 パートナー税理士・センター長
96年大手監査法人入社、98年小谷野公認会計士事務所(小谷野税理士法人)入所。
【執筆実績】
「いまさら人に聞けない『事業承継対策』の実務」(共著、セルバ出版)他
【メッセージ】
亡くなった方の思い、ご家族の思いに寄り添って相続の手続きを進めていきます。税務申告以外の各種相続手続きも、ワンストップで終了するように優しく対応します。