二次相続の非課税枠はどれだけ減る?仕組みや注意点について解説

二次相続の非課税枠はどれだけ減る?仕組みや注意点について解説

二次相続では、一次相続と比べて非課税枠や基礎控除がどれだけ減るのか気になる方も多いのではないでしょうか。実は、相続人が配偶者から子だけになる影響で、同じ財産でも課税対象が大きく増えるケースがあります。本記事では、二次相続で非課税枠が縮小する理由、一次相続との具体的な違い、注意すべきポイントを詳しく解説します。二次相続の税額が心配な方は最後までご覧ください。

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目次

二次相続とは

二次相続とは

二次相続とは、一次相続で財産を受け継いだ配偶者が亡くなったときに発生する二度目の相続を指します。

法定相続分通りの遺産分割であれば、一次相続で配偶者が取得した財産に、もともと配偶者が保有していた資産が合算され、残された子どもがまとめて受け継ぐこととなります。したがって、一次相続より二次相続の方が遺産総額が増えることも珍しくありません。

他にも、相続人が「配偶者+子」から「子のみ」に変わることで控除や非課税枠が小さくなり、結果的に二次相続の税負担が重くなりやすい点が大きな特徴です。

二次相続で変わる非課税枠と税負担への影響

二次相続では、相続人が減ることで控除額や非課税枠が小さくなるとお伝えしましたが、具体的にどのような優遇が縮小し、どんな形で税額に影響が出るのでしょうか。二次相続で変わる非課税枠と税負担について解説します。

死亡保険金・退職金の非課税枠が小さくなる

死亡保険金や死亡退職金には「500万円 × 法定相続人」で計算される非課税枠があり、一次相続では配偶者と子どもが相続人となるため人数が多く、非課税として扱える金額も大きくなります。

しかし、二次相続では相続人が子どもだけとなるケースが一般的で、人数が減る分、非課税枠も大幅に縮小します。その結果、同じ額の保険金を受け取った場合でも、二次相続では課税対象が増え、相続税が高くなりやすい点に注意しましょう。

参考:No.4117 相続税の課税対象になる死亡退職金|国税庁

基礎控除額が減少する

相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円 × 法定相続人」で決まります。一次相続では「配偶者+子」という構成になり、控除額は比較的大きくなりますが、二次相続の相続人は多くのケースで「子どものみ」となるため控除額は一気に減少します

財産の総額が変わらなくても、基礎控除が縮むことで課税対象部分が広がり、一次相続と比べて相続税が発生しやすい状況になってしまうので注意しましょう。

参考:No.4152 相続税の計算|国税庁

配偶者控除が使えず税負担が増えやすくなる

一次相続では「配偶者の税額軽減」が適用されるため、配偶者が多くの財産を取得しても相続税がかからない場合がほとんどですが、二次相続では配偶者がすでに亡くなっているため、この特例を利用できません。

そのため、一次相続で無税だった財産が、二次相続ではすべて課税対象となり、控除の縮小と相まって税負担が急増するケースが多く見られます。

参考:No.4158 配偶者の税額の軽減|国税庁

相続人の減少で適用税率が上がりやすくなる

相続税は、多く取得するほど高い税率がかかる累進課税です。

一次相続では配偶者と子どもで財産を分散して取得するため、一人あたりの取得額が抑えられ、低い税率帯で収まりやすい傾向がありますが、二次相続では相続人が子どもだけになり、取得額が一人に集中するため、高い税率帯に該当しやすくなります

これも二次相続の税額が増えやすい理由のひとつです。

参考:No.4155 相続税の税率|国税庁

二次相続では小規模宅地等の特例を適用できない可能性がある

一次相続では、配偶者が取得する場合の要件が緩いため、小規模宅地等の特例を適用しやすい一方、二次相続では子どもがその要件を満たせず適用できないケースが見られます

特に、子がすでに独立して別居している場合、同居要件を満たさないため特例の対象外となり、一次相続で大幅に評価が下がっていた土地が、二次相続では評価減のない高い額で課税される可能性があります。

こうした要件の違いを理解し、一次相続の段階から二次相続までを見据えて制度を選択するのが重要です。

参考:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁

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二次相続で起こりやすいトラブル

相続人が子だけになる二次相続では、財産の内容や負担の差が表面化しやすく、一次相続以上に対立が起きやすい傾向があります。では、具体的にどのような場面で問題が生じやすいのでしょうか。代表的なトラブルを紹介します。

一次相続の情報共有不足が二次相続の争いを引き起こす

一次相続の時点で、遺産の内容や評価額、預貯金の動き、不動産の取り扱いなどを十分に共有していないと、二次相続で子ども同士の受け止め方に違いが出やすくなります。

特に、誰がどれだけ介護をしたのか、生活費を誰が負担していたのかといった点が曖昧なままだと、不公平感が強まり、話し合いがこじれる典型的な原因になります。

不動産の偏在が原因で二次相続がまとまりにくくなる

一次相続で配偶者が自宅不動産を相続した場合、その不動産が二次相続でも中心的な遺産となり、現金が不足するケースが多くあります

不動産は分割しにくく、評価額と売却価格の差、売却の可否、共有後の管理負担など、多くの論点が生まれやすいため、二次相続で合意がまとまらない原因となります。

納税資金が不足し、急な売却を強いられる

二次相続は基礎控除や非課税枠が縮小するため、同じ財産規模でも相続税が発生しやすくなります。一次相続後、配偶者が生活費として預貯金を長年取り崩していると、二次相続時は「不動産だけが残り、現金がほぼない」という状況になりがちです。

納税資金が用意できず、相続人が急いで不動産を売却せざるを得ない事態も珍しくありません。

一次相続で行った財産整理が後から問題化する

一次相続の段階で、名義変更が済んでいない財産や、評価が曖昧なまま放置された資産、管理者が曖昧な預貯金などが残っていると、二次相続で再調査が必要となります

特に同居していた子が財産管理を担っていた場合、支出は誰のためのものか、生前贈与か生活費かといった認識違いが生まれやすく、相続人同士の不信感に繋がる典型例です。

介護・扶養の負担を巡って不公平感が強まりやすい

二次相続では、親が亡くなる直前までの介護や生活支援の負担が表面化しやすく、「自分ばかり負担したのに取り分が少ない」という不満が争いの火種となる場合があります

一次相続と違い、調整役となる親がいないため、対立がエスカレートしやすく、深刻なトラブルに発展するケースも見られます。

二次相続の非課税枠を意識した相続対策

相続対策・相続税対策

二次相続では課税される財産が増えやすいため、一次相続の進め方がその後の税負担を大きく左右します。一次相続の段階から、二次相続を見据えた分割や制度活用を検討しておくのが重要です。

一次相続で配偶者に財産を集中させすぎないよう工夫する

一次相続で配偶者に財産が集中しすぎると、二次相続で課税対象が大きくなり税負担が増えやすいので、取得割合を意識して分散しましょう。一次相続では配偶者控除により大幅に課税が抑えられますが、その効果は二次相続には引き継がれません。

相続人が配偶者から子だけに変われば基礎控除が縮小し、同じ財産でも税額が高くなるケースが多くみられます。将来の税額シミュレーションを踏まえ、一次相続から配偶者と子へのバランスある分割を検討するのが重要です。

生前贈与や生命保険の非課税枠を活用して課税対象を分散する

二次相続では法定相続人が減るため非課税枠が小さくなり、課税財産が増えやすいので、生前贈与や生命保険を活用して負担を分散しましょう

生命保険の非課税枠は「法定相続人の人数×500万円」で計算されるため、二次相続で人数が減った際の非課税枠縮小を補う効果があります。また、生前贈与を組み合わせれば財産を段階的に移せるため、相続時の課税対象を計画的に減らせます。

どちらも適用条件があるため、金額や時期を確認しながら進めるのが大切です。

二次相続で小規模宅地等の特例を適用できない可能性がある

二次相続では子が同居要件などを満たせず、小規模宅地等の特例を利用できない場合があるため、一次相続の段階から適用可否を見据えて判断しましょう

配偶者は要件が緩く一次相続で適用しやすい一方、子どもが独立・別居している、持ち家があるといったケースでは、二次相続で特例を使えず土地の評価が高いまま課税される場合があります。

そのため、配偶者への集中相続が後の税負担を重くしないよう、一次・二次の両方を踏まえた遺産分割と制度活用が重要になります。

二次相続の非課税枠についてよくある質問

FAQ・Q&A

二次相続では控除や非課税枠が小さくなるため、思わぬ税負担に繋がるケースが少なくありません。よく寄せられる疑問を以下に取り上げますので、二次相続の理解を深める参考にしてください。

二次相続の税額は一次相続のどれくらい後で見直すべきですか?

二次相続の税額は、配偶者の年齢や預貯金の減り方、不動産価値の変動によって大きく変わるため、一次相続後すぐの確認に加え、3〜5年ごとの見直しが推奨されます

想定外の課税が生じる前に財産状況を棚卸ししておけば、十分な納税準備や生前対策に繋がり、リスクを抑えやすくなります。

二次相続の準備は一次相続が終わってからで大丈夫ですか?

二次相続の対策は、一次相続と同時に考えるのが重要です。一次の遺産分割で配偶者に財産を寄せすぎると、二次相続で一気に課税が重くなる場合があるため、後からの修正が困難になります。

一次相続が二次相続の税額を決定づけるという点を踏まえ、最初の段階から二つの相続を一体で設計するのが安全です。

二次相続では相続放棄は選択肢として使われますか?

二次相続でも相続放棄は可能ですが、負債の有無だけでなく、税額を含めた全体のバランスで判断する必要があります

一次相続で配偶者に財産を寄せていた場合、二次相続で課税負担が大きくなり、放棄を検討すべきケースも生じるため、財産評価と税額を確認した上で判断するのが大切です。

参考:相続の放棄の申述 | 裁判所

二次相続の非課税枠に不安がある方は専門家に相談を

二次相続では基礎控除や死亡保険金の非課税枠が大きく縮小するため、一次相続より相続税が発生しやすくなる点に注意しましょう。

特例の適用可否や財産評価を誤ると税額が想定以上に増え、納税資金が不足するリスクもあるため慎重な判断が必要です。

そのため、制度理解と長期的な試算ができる専門家へ相談するのが、総額の税負担を抑えるための最も確実な方法でしょう

小谷野税理士法人では、一次相続と二次相続を総合的に比較し、非課税枠や控除を最大限活用する相続設計を実施しています。二次相続の税負担を最小限にしたい方は、ぜひ小谷野税理士法人へご相談ください。

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監修者

山口 美幸

山口 美幸 小谷野税理士法人 パートナー税理士・センター長

96年大手監査法人入社、98年小谷野公認会計士事務所(小谷野税理士法人)入所。

【執筆実績】
「いまさら人に聞けない『事業承継対策』の実務」(共著、セルバ出版)他

【メッセージ】
亡くなった方の思い、ご家族の思いに寄り添って相続の手続きを進めていきます。税務申告以外の各種相続手続きも、ワンストップで終了するように優しく対応します。