【3選】一代飛ばしで相続税対策をする方法と注意点を徹底解説!

【3選】一代飛ばしで相続税対策をする方法と注意点を徹底解説!

「一代飛ばし」とは、本来の相続順位である「親→子→孫」という流れをあえて飛ばし、孫へ直接財産を承継させる方法です。相続が1回で済むため、結果的に相続税の負担を抑えられるケースもあります。ただし生前贈与・養子縁組・遺言など、方法ごとに細かなルールや注意点があり、誤った手続きは税負担を増やすリスクもあるので要注意です。本記事では、一代飛ばしで相続税対策を行う際の代表的な方法と注意点を解説します。

一代飛ばしとは

相続の相談をする夫婦

一代飛ばし(世代飛ばし)とは本来の相続順位をあえて飛ばし、子を経由せずに孫など次の世代へ直接財産を承継させる手法です。目的は、相続の回数を減らし、結果として相続税の負担を抑えることにあります。

通常、相続は「親→子→孫」という順番で進みます。そのため、子が存命である限り、孫が直接相続することはありません。そして相続税は相続が発生するたびに課税される仕組みです。そのため親→子、子→孫と、2回にわたって相続税がかかることになります。

一代飛ばしを行うと、子を介さず「親→孫」の1回で財産を移転できるため、結果として課税の回数を減らせます。これにより、ケースによっては総相続税額を大きく抑えられる場合があるのです。

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一代飛ばしで相続税対策する方法

配偶者控除

一代飛ばしで相続税対策する方法を以下にまとめたので、ぜひ参考にしてください。

生前贈与を活用して孫へ財産を引き継ぐ

孫に確実に財産を残したいなら、生前のうちから贈与するのが最も分かりやすく、効果的な方法です。相続発生前に財産を移しておけば、相続税の負担を減らすことにもつながります。生前贈与の一例は以下の通りです。

  • 毎年110万円までをコツコツ贈与する(暦年贈与)
  • 住宅取得資金の特例を使って大きな額を贈与する
  • 教育資金を一括で贈与する(最大1,500万円)

ただし、一口に「孫へ贈与する」といっても、実は複数のやり方があり、それぞれルールや注意点が異なります。内容を理解しないまま進めてしまうと、想定外の税金がかかったり、贈与が無効と判断されたりすることもあります。

そのため、まずはどの贈与方法が自分の状況に合っているのかを把握することが大切です。それぞれの特徴を押さえ、無理なく確実に財産を渡せる方法を選びましょう。

孫を養子にする

孫を養子にすれば「法定相続人」にできるため、確実に財産を相続させられ、節税にもつながります。養子縁組をすると孫は法律上「実子」と同じ扱いになり、相続の場面でも実子と同じ割合で財産を受け取れます。相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)も増えるため、相続税の負担を軽減できる点が大きなメリットです。

ただし、実子がいる場合は相続税法上カウントできる養子は1人まで(民法上は制限なし)です。また養子となった孫が受け取る財産には相続税が2割加算されます。

「孫に遺贈する」と記載した遺言書を作成する

遺言書に「孫に遺贈する」旨を明確に記載しておけば、確実に孫へ財産を引き継がせることが可能です。ただしどの財産をどのように遺贈するのかを具体的に書かないと、相続人同士で解釈が分かれ、トラブルに発展する可能性があります。遺言を作成する際は、財産の内容・金額・割合をできるだけ詳細に記載しましょう。

また、遺言書で特に注意が必要なのが「遺留分」です。遺留分とは、配偶者や子どもなど特定の相続人に法律で保障された最低限の取り分のことです。この遺留分を侵害する内容を書いてしまうと、相続人から遺留分侵害額請求が行われ、トラブルに発展する危険があります。

「孫にしっかり財産を残したい」と考える方は、遺言書の作成時は遺留分に配慮し、円満な相続につながる内容にしましょう。

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一代飛ばしで相続税対策する際の注意点

妻が会社を相続する際の注意点

以下では、一代飛ばしで相続税対策する際の注意点を解説します。

110万円以下の贈与でも「贈与契約書」は必ず作成する

年間110万円以下の非課税贈与であっても、贈与契約書は必ず作成すべきです。なぜなら、書面があることで「贈与の事実」を客観的に証明でき、後の税務調査で名義預金と疑われるリスクを大幅に減らせるためです。

贈与自体は口約束でも成立しますが、税務署は相続時に「本当に贈与が行われていたのか?」を厳しく確認します。契約書がないと子や孫名義の預金が「被相続人が自由に引き出せる状態だった」と判断され、相続財産に含められてしまうケースもあります。

トラブルや課税リスクを避けるためにも、非課税枠内の贈与であっても贈与契約書を作成して確実に証拠を残しておくことが大切です。

毎年110万円を贈与する場合は「金額・日付を変える」

毎年110万円以下の贈与を続ける場合は、金額や贈与日を変えることが重要です。同じ金額を毎年同じ時期に渡し続けると、税務署から「将来の総額を前提にした定期贈与」と判断される可能性があるためです。定期贈与とみなされると、予定されていた贈与総額を一括で贈与したものとして扱われ、高額な贈与税が課税されるリスクがあります。

例えば毎年110万円ずつ10年間渡すつもりだった場合、定期贈与と判断されると、1,100万円全額を一時に贈与したと扱われます。その結果、非課税枠を超える部分に大きな贈与税がかかってしまうリスクがあるのです。

このリスクを避けるためにも、毎年の贈与は金額・日付を変え、贈与契約書を毎回作成し、銀行振込で記録を残しましょう。

贈与後の財産は「孫自身が管理」する

孫への暦年贈与を行った後は、必ず孫自身が贈与財産を管理することが大切です。なぜなら、祖父母が贈与したつもりでも、孫の承諾がなければ贈与契約は成立しないためです。さらに、贈与後の管理方法によっては「名義預金」と判断され、祖父母の相続財産に含まれてしまうリスクがあります。

孫名義の銀行口座に贈与金を振り込んでも、通帳やキャッシュカードを祖父母が保管していると、実質的な管理者は祖父母とみなされます。その場合、税務署から「贈与ではなく名義預金」と判断され、相続税の課税対象になる可能性があるのです。

そのため、贈与は孫の合意を得たうえで行い、贈与後の財産管理も孫自身が行うことが贈与成立の大前提です。

特に一代飛ばしはメリットが大きい一方で、贈与税・相続税の取り扱いが複雑になるため、専門的な知識が必要です。正しい方法で実行すれば相続税の負担を効果的に抑えられますが、誤った手続きは逆に税負担やトラブルを招く可能性があります。

相続と贈与のどちらで一代飛ばしをすべき?

一代飛ばしを相続で行うか、生前贈与で行うかは、ケースごとに最適な方法が異なります。相続で行う場合は、相続税の2割加算や遺留分の影響を考慮する必要があります。一方で、贈与で行う場合は、贈与税や不動産取得税、登録免許税などの税負担を事前に計算しておく必要があります。

どちらの方法にもメリット・デメリットがあり、単純に「どちらが得か」を判断するのは非常に難しいのが現実です。安全かつ効果的に一代飛ばしを活用するためには、相続・贈与の税務に詳しい税理士に相談するのが望ましいです。誤った方法を選ぶと思わぬ税金や相続トラブルにつながることもあるため、個々の状況に応じた最適な方法を検討しましょう。

まとめ

一代飛ばしは「相続回数を減らすことで相続税を抑える」という非常に有効な相続税対策です。生前贈与による方法や孫を養子にして法定相続人にする方法、また遺言で遺贈先を指定する方法など、目的に合わせて選べる手段がそろっています。

しかし、110万円以下の贈与でも契約書が必要だったり、養子の人数制限や2割加算、遺留分の問題など、注意すべきポイントも多く存在します。誤った方法を選ぶと、思わぬ税金や相続トラブルにつながることもあるため、慎重な準備が必要と言えるでしょう。

ご自身とご家族に最適な一代飛ばしの方法を知りたい方は、専門家へ相談することが安心への近道です。相続のプロが丁寧にサポートする「やさしい相続相談センター」までお気軽にご相談ください。

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監修者

山口 美幸

山口 美幸 小谷野税理士法人 パートナー税理士・センター長

96年大手監査法人入社、98年小谷野公認会計士事務所(小谷野税理士法人)入所。

【執筆実績】
「いまさら人に聞けない『事業承継対策』の実務」(共著、セルバ出版)他

【メッセージ】
亡くなった方の思い、ご家族の思いに寄り添って相続の手続きを進めていきます。税務申告以外の各種相続手続きも、ワンストップで終了するように優しく対応します。