親が亡くなったらすることリスト|期限や手続きの方法を詳しく解説
親や亡くなった後に行うべき手続きは多岐にわたる上、手続きによって期日や届出先が様々です。やるべきことを正確に把握しなければ手続きの漏れや期限の超過などを起こしてしまう恐れがあります。
やるべきことをスムーズにこなせるよう、親が亡くなったらすることを流れで把握しておくのが良いでしょう。今回は親が亡くなったらすることを時系列で紹介します。やることを一目で把握できるリストもご用意しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
【やることリスト】親が亡くなったらすることを時系列で把握しよう
親が亡くなったらすることを「やることリスト」として時系列でまとめました。上から順に進めていくことをおすすめします。
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時期 |
やること |
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当日 |
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1週間以内 |
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10日~2週間以内 |
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なるべく速やかに |
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1ヵ月以内 |
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3ヵ月以内 |
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4ヵ月以内 |
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10ヵ月以内 |
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その他 |
【2年以内】
【3年以内】
【5年以内】
【遺留分の侵害を知ってから1年以内】
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親が亡くなったらすること|当日

はじめに、親が亡くなった当日にすることについて紹介します。
死亡診断書または死体検案書の受け取り
最初に行うのは死亡診断書または死体検案書の受け取りです。どちらも死亡を医学的・法律的に証明する書類で、効力に違いはありません。
以下のいずれかに該当する場合は医師による死亡診断書が交付されます。
- 病院で亡くなった場合
- 自宅での療養中に亡くなった場合
事故死、突然死、孤独死など、生前から診療を受けていた傷病とは異なる理由で亡くなった場合、警察から死体検案書が交付されます。
なお、死亡診断書や死体検案書は後の手続きでも必要になる場面が多いため、コピーを複数枚とっておくのが安心です。
近親者への連絡
近親者への連絡も当日中に行う必要があります。血縁者や縁の深い人に対しては早いうちに連絡し、亡くなった事実だけでも伝えましょう。その後、葬儀の日程等が決まり次第改めて連絡します。
職場や近所の人などには訃報と葬儀の連絡をあわせて行うのが一般的です。
葬儀社の選定・打ち合わせ
葬儀社の選定および葬儀に関する打ち合わせもなるべく早く行います。
葬儀社を決める上で最重視するべきなのは親本人の希望です。生前に希望を聞いていた場合やエンディングノート等に希望の記載がある場合は、本人の意向を汲んで葬儀社を選びましょう。
故人の希望がわからない場合は、予算やサポート内容、参列者の数などの条件を基に葬儀社を選びます。
遺体の搬送
病院で亡くなった場合は遺体の搬送も必要です。安置できる時間が限られており、多くの場合は亡くなってから数時間以内に搬送する必要があります。
親が亡くなったらすること|1週間以内
続いて親が亡くなった後1週間以内に行うべき手続きを紹介します。
死亡届の提出・火葬許可証の申請および取得
死亡届の提出期限は死亡の事実を知った日を含めて7日以内です。期日を過ぎてしまうと過料の対象になる恐れがあります。
死亡届の提出とあわせて火葬許可証の申請および取得も行いましょう。火葬許可証がなければ葬儀や告別式での火葬ができないためご注意ください。
なお、死亡届の提出や火葬許可証の取得手続きは葬儀社に代行してもらえるケースもあります。
押印済み火葬許可証(埋葬許可証)の取得
火葬後に受け取る押印済みの火葬許可証は埋葬許可証となり、四十九日法要後の納骨時に必要となります。埋葬は火葬から期間が空くことが多いため、紛失しないよう注意しましょう。
親が亡くなったらすること|5日~2週間以内
亡くなってから10日~2週間以内にやるべきこととして以下が挙げられます。
- 年金受給の停止手続き
- 保険の資格喪失手続き
- 世帯主の変更
- 葬祭費・埋葬料の請求
1の年金関連と2の保険関連の手続きの期日は加入していた保険等の種類によって異なるため注意が必要です。それぞれ詳しく解説します。
年金受給の停止手続き
年金受給の停止手続きの期日は年金の種類によって異なります。
- 厚生年金:死亡後10日以内
- 国民年金:死亡後14日以内
なお、年金事務所にマイナンバーの届出をしていた場合は、役所から年金事務所に情報が共有されるため停止手続きが不要です。手続きが必要か判断できない場合は年金事務所に電話等で直接確認するのが安心です。
保険の資格喪失手続き
保険の資格喪失手続きの期日も、加入していた保険の種類によって以下のように異なります。
- 健康保険:死亡後5日以内
- 国民健康保険・後期高齢者医療制度:死亡後14日以内
- 介護保険:死亡後14日以内
健康保険は死亡後5日以内と期日が早いため注意が必要です。ただし健康保険の資格喪失届は故人の元勤務先が行なってくれるケースも多くみられます。
なお、保険の資格喪失手続きとあわせて葬祭費・埋葬料の請求手続きも行うと効率的です。葬祭費・埋葬料の請求手続きについては後述します。
世帯主の変更
亡くなった親が世帯主であり、かつ2人以上の同居人がいる場合は世帯主の変更が必要です。届出の期限は死亡後14日以内と定められています。
親が亡くなったらすること|なるべく速やかに対応
親が亡くなった後なるべく速やかに行うべき手続きとして以下が挙げられます。
- 各種サービスの解約
- 公共料金の解約または名義変更
- 免許証・マイナンバーカード・パスポート等の返納
- 相続手続きの開始
亡くなってから2週間が経過した頃は、期限が早い手続きが一段落したタイミングといえます。この時期に、期日の明確な定めがない様々な手続きを行っておくと良いでしょう。
各種サービスの解約
故人が契約していた各種サービスはなるべく早く解約しましょう。解約手続きが必要なサービスとして以下の例が挙げられます。
- クレジットカード
- 携帯電話
- インターネット、テレビ
- サブスクリプション
- 会費のかかるサービス全般
口座の入出金明細やクレジットカードの利用履歴などから、故人がどのようなサービスを利用しているかを入念に確認する必要があります。別の親族等が継続利用する場合は名義変更の手続きをします。
公共料金の解約または名義変更
電気・水道・ガスといった公共料金についても解約または名義変更の手続きが必要です。電気やガスは契約している会社、水道は住所地を管轄する水道局が連絡先となります。
免許証・パスポート・マイナンバーカード等の返納
免許証・パスポート・マイナンバーカード等の身分証明書の返納も必要です。返納先はそれぞれ以下の通りです。
- 免許証:警察署または運転免許センター
- パスポート:パスポートセンター(旅券事務所)
- マイナンバーカード:市区町村役場
なお、マイナンバーカードは死亡届の提出により自動的に失効する仕組みのため、返納しなくても法的な問題はありません。ただし悪用のリスクを防ぐためにも返納するのが安心です。
相続手続きの開始
各種手続きが一段落したら相続のために必要な作業も開始しましょう。相続関連で行うべき作業としては以下の例が挙げられます。
- 遺言書の有無および内容の確認
- 相続人の調査
- 相続財産の調査
遺言書がある場合は遺言書の通りに遺産分割を行います。遺言書がない場合は相続人および相続財産の調査が必要です。
相続人および相続調査の方法については以下の記事をご覧ください。
親が亡くなったらすること|1ヵ月~4ヵ月以内

死亡後1ヵ月~4ヵ月以内に行うべき手続きも存在します。それぞれ詳しく解説します。
[1ヵ月以内]雇用保険受給資格者証の返却
亡くなった親が雇用保険の失業手当(基本手当)を受給していた場合は、死亡後1ヵ月以内に雇用保険受給資格者証の返却が必要です。受給手続きを行なったハローワークへ返却します。
[3ヵ月以内]相続放棄・限定承認の申述
相続放棄はプラスの財産・マイナスの財産問わずすべての財産を一切受け継がないことです。限定承認はプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続する方法で、プラスの財産の方が多ければその分は通常通り相続できます。
相続放棄および限定承認を行う場合は、家庭裁判所へその旨を申述する必要があります。申述期限は相続開始を知った日から3ヵ月以内です。
[4ヵ月以内]所得税の準確定申告・納付
準確定申告とは亡くなった人の所得に関する確定申告です。亡くなった人に一定の所得がある場合は準確定申告が必要になります。一般的に、故人が生前に確定申告を行なっていた場合は準確定申告が必要になる可能性が高いです。
準確定申告の期日は相続開始を知った日の翌日から4ヵ月以内です。
親が亡くなったらすること|10ヵ月以内

親が亡くなってから10ヵ月以内に行うべき手続きとして、相続税の申告・納付が挙げられます。10ヵ月と聞くと余裕があるように感じるかもしれませんが、事前に行う作業が多岐にわたるため、なるべく早めに着手するべきです。
相続税申告書を作成するために必要な作業
相続税申告書を作成するには、以下の作業をすべて終える必要があります。
- 相続人調査・相続財産調査
- 遺産分割協議
- 相続税評価額の計算
- 必要書類の取得
いずれも数週間〜数ヵ月といった時間のかかる可能性がある作業です。特に遺産分割協議は相続人全員の合意が必要ですが、スムーズに合意形成ができるとは限らず時間がかかるケースも多いです。
期日の定めがある各種手続きが落ち着いたら、なるべく早いうちに相続税申告に向けた作業を進めるのが理想です。
10ヵ月以内に遺産分割協議が終わらない場合
遺産分割協議が長引いている場合でも、申告・納付期限の延長はできません。遺産分割協議が終わらず申告期限に間に合わない場合は、法定相続分で遺産分割をしたと仮定して申告および納付をする必要があります。このような対応を相続税の未分割申告といいます。
未分割申告の方法や注意点は以下の記事をご覧ください。
相続税申告が不要なケースもある
課税遺産総額が基礎控除額以下であれば、相続税は発生せず相続税申告も不要です。
基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。
例えば法定相続人が2人の場合、基礎控除額は3,000万円+600万円×2人=4,200万円です。この場合、課税遺産総額が4,200万円以下であれば相続税申告は不要となります。
親が亡くなったらすること|期限・時効の定めがあるその他の手続き

最後に、親が亡くなってから1年以上経過してから期限・時効が到来する手続きについて解説します。
2年以内|葬祭費・埋葬料などの請求
葬祭費と埋葬料は、葬儀等にかかった費用を負担した人に対して各自治体や健康保険組合から支給されるものです。故人が国民健康保険に加入していた場合は葬祭費が、健康保険に加入していた場合は埋葬料や埋葬費が支給されます。
葬祭費や埋葬料の請求期限は、葬儀を行った日から2年以内です。期限に余裕はありますが、亡くなってから2週間以内が期限である「保険의資格喪失手続き」とあわせて行うのが効率的でしょう。
3年以内|相続登記・死亡保険金の請求
相続登記とは相続によって取得した不動産の名義変更手続きです。以前は期日の定めがなく法的な義務もありませんでしたが、令和6年4月1日から3年以内の相続登記が義務化されました。
死亡保険金の請求期限は、原則として死亡日の翌日から3年以内です。契約内容によっては3年を経過した後も請求できることもありますが、なるべく早めに手続きしましょう。
5年以内|未支給年金の請求・遺族年金の請求
未支給年金とは、本来支払われる年金のうち亡くなるまでに受け取っていない分のことです。年金は後払いの仕組みを採用しているため、死亡日までに支給されない分が発生します。
遺族年金は亡くなった人によって生計を維持されていた遺族が受け取れる年金です。受給申請の期限はいずれも亡くなった日から5年以内です。
遺留分の侵害を知ってから1年以内|遺留分侵害額請求
遺留分とは一定の法定相続人に保障された遺産の最低限の取得分です。
遺留分の権利は遺言よりも優先されます。遺言や生前贈与などで遺留分の侵害を受けた場合は、遺留分侵害額請求の権利が認められます。
遺留分侵害額請求の期限は、原則として遺留分の侵害を知った日から1年です。ただし遺留分の侵害を知らなかった場合でも、相続開始から10年を経過すると遺留分侵害額請求権は消滅します。
親が亡くなったらすることは多岐にわたる!やるべきことをリスト化して確実に対応しよう
親が亡くなったらすることは行政手続きから税金関連まで多岐にわたります。手続きによって届出先や期日が異なるため、各手続きについて個別に確認する必要があります. 期日を過ぎてしまうと、過料の発生や権利の消失などが起こる手続きもあるため注意が必要です。
特に、死亡当日から死後2週間以内に期日の定めがある手続きが多く存在します。ミスや漏れなく確実に対応できるよう、やるべきことをリスト化してわかりやすい状態にまとめるのがおすすめです。
行政手続きが一段落した後もやるべきことが多く存在します。相続税申告のように専門性が求められる手続きも多く、相続人がすべて完璧に対応するのは容易ではありません。
亡くなった後の手続きについて少しでも疑問や不安があれば、1人で解決しようとせず、専門家に相談することをおすすめします。
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相続税の申告手続きは初めての経験で不慣れなことも多くあると思います。
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監修者

山口 美幸 小谷野税理士法人 パートナー税理士・センター長
96年大手監査法人入社、98年小谷野公認会計士事務所(小谷野税理士法人)入所。
【執筆実績】
「いまさら人に聞けない『事業承継対策』の実務」(共著、セルバ出版)他
【メッセージ】
亡くなった方の思い、ご家族の思いに寄り添って相続の手続きを進めていきます。税務申告以外の各種相続手続きも、ワンストップで終了するように優しく対応します。









