相続税の税理士の探し方|外せないポイントと実際の手順3STEP

相続税の税理士の探し方|外せないポイントと実際の手順3STEP

相続税申告は専門性が高い分野です。よく調べずに経験の少ない税理士に任せると、追加の税負担が発生するなどのリスクが生じる場合があります。とはいえ、どんな税理士に頼めばいいか迷うこともあるでしょう。この記事では、信頼できる税理士を見極めるポイントを解説します。また、「期限が迫っている場合」「相続財産に不動産が多い場合」など、目的別の探し方も紹介します。

相続税は専門性がカギ!身近な税理士に頼むと失敗する恐れも

養子縁組のイメージ

「どの税理士でも同じ」ではありません。相続税の経験が浅い税理士に任せると、節税法の知識不足やミスなどにより余計な税金を払うケースもあります。

相続税は専門分野→経験不足の税理士だと追徴課税を受ける恐れも

税理士には、法人や個人事業主の税務を得意とするタイプと、相続や不動産など資産税を得意とするタイプがあります。両者は全く別の専門分野で、相続税の申告は後者です。

タイプ

得意分野

主な業務

事業者(法人・個人事業主)向け

法人税・所得税・経理・顧問契約

決算書作成、会計処理、税務顧問など

個人資産や相続相談向け

相続税・贈与税・不動産評価

財産調査、節税を考慮した遺産分割、特例適用など

日常業務で相続を扱っていない「事業者向け税理士」に相続税の依頼をするのはリスクがあります。相続税は専門分野であるため、財産の評価誤りや特例の適用漏れなど、思わぬ見落としが生じる可能性があるからです。

よって、経験の少ない税理士に任せると後で追徴課税を受けるリスクがあります。追徴課税とは、申告した税金が本来より少ない場合に追加で納税を求められるペナルティです。加算税や延滞税などが上乗せされる場合もあります。

相続税申告の依頼をする際は、必ず相続の経験が豊富な税理士を選びましょう。

相続税における税理士探しのよくある失敗例4つ

相続税申告を依頼する際の税理士探しでは、次のような失敗例があります。

  • 知り合い・紹介でよく調べずに頼むパターン
    →人間関係はあっても、その税理士が相続税に慣れているとは限らない
  • 近所だから頼むパターン
    →対面しやすい反面、専門性を確認しないまま依頼して後悔する方も
  • 会社や個人事業主の顧問税理士にそのままお願いするパターン
    →顧問税理士は法人・所得税メインで、相続税の取り扱いは年1件以下の場合も
  • 急いでいて比較する時間がないパターン
    →「すぐ対応してくれるところならどこでも」と焦って選び、結果的に説明不足や追加費用で困るケースも

「知っている人だから」「近いから」といった身近さで決めず、相続税の専門性や対応の誠実さを確認しましょう。

「やさしい相続相談センター」では、25年以上にわたり難易度の高い相続案件を解決してきました。相続に関するお悩みは、まずは無料相談でお気軽にご相談ください。

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相続税の税理士を探す際に外せないポイント3つ

税金の計算

相続税の納税額は、税理士の経験や判断力次第では減らせる場合もあります。ここでは、信頼できる税理士を見極めるために外せない3つのポイントを紹介します。

サイトのトップページで「相続税」を前面に打ち出している

相続税に特化した税理士を見極めるために、まずホームページのトップページを見てみましょう。「相続税」がどのくらい前面に打ち出されているかで、その税理士が相続をどれほど重視しているかが分かるからです。

以下のような特徴が見られるサイト構成であれば、相続分野を主軸にしている可能性が高いでしょう。

  • トップメニューで「相続税」「相続手続き」が「法人税務」より上位にある
  • ファーストビューで「相続専門」などと強調している
  • 相続専用ページが独立してあり、料金や内容が具体的に書かれている

ホームページの構成は、その税理士がどの分野に注力しているかを示します。「相続税」が目立つ位置にあるかを確認するだけでも、相続を専門とする税理士を見極める手掛かりになるでしょう。

料金体系が明確で見積もりを事前に提示できる

信頼できる税理士は、料金の内訳を明確にし、見積もりを事前に提示してくれます。

見積もりの内訳が不明確なまま契約すると、後から追加費用が発生し、想定より高くなるケースもあります。相続税申告の報酬は、財産の種類や評価の難易度によって変動するためです。よって、初めに業務範囲や追加条件を明示する税理士なら、安心して依頼できます。

具体的には、以下のような点をチェックしましょう。

  • 見積書に基本報酬と追加報酬が分かれて書かれているか
  • 契約前に見積書を提示し、内容を分かりやすく説明してくれるか
  • 「どの程度の費用がかかるのか」「何をしたら追加になるのか」が初回相談などで説明されているか

一方「一式◯万円」など、見積書に内訳がなく金額だけを提示して詳細を説明しない税理士には注意が必要です。料金の根拠や明確さは、サービスの誠実さに直結します。

節税提案・リスク説明が初心者にも分かりやすく具体性がある

信頼できる税理士であれば、節税の提案やリスクの説明を、初心者にも分かりやすく具体的に伝えてくれます。

相続税申告は専門用語が多く難解になりがちです。しかし信頼できる税理士なら、専門用語をかみ砕きながら「なぜその方法を取るのか」「どんな注意点があるのか」を説明できます。難しい内容を正確にかみ砕けるだけの経験と理解があるからです。

例えば、以下の対応をとれる税理士であれば信頼できるでしょう。

  • 「この特例を使うと税額が◯万円軽減できます」など、数字で示してくれる
  • 節税だけでなく「この方法は後の税務調査で指摘されやすい」とリスクも伝えてくれる
  • 図や簡単な例え話を交えて説明し、初心者でも理解できるようにしてくれる

「分かりやすさ」こそ、信頼できる税理士を見極めるポイントといえるでしょう。逆に言えば、説明が専門用語だらけで分かりづらい税理士や、節税話ばかりでリスクを説明しない税理士は要注意です。

「やさしい相続相談センター」では、その名の通り、初めての方にも分かりやすく易しい言葉でご説明します。まずは無料相談でお気軽にお話しください。

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【目的別に見る】自分に合った相続税の税理士の探し方

先ほどは「税理士を探す際に外せないポイント」を3点紹介しましたが、すべてを満たす税理士が見つからない場合もあります。そんな時は、自分の状況や優先したいポイントに合わせて選びましょう。

期限が迫っている人は「スピード対応できる税理士」を選ぶ

申告期限が迫っている場合は、スピード対応が可能な税理士を選びましょう。一般的には、申告期限まで3ヵ月を切っている場合は「期限が迫っている状態」です。

相続税の申告期限は、被相続人の死亡があっとことを知った日の翌日から10ヵ月以内です。この期限を過ぎると、延滞税や加算税が発生するリスクがあります。

ただし、すべての税理士がスピード対応できるわけではありません。顧問業務中心の税理士や、ひとり体制の事務所では、短期間での対応が難しいケースもあります。よって、期限が近い場合は税理士をよく見極める必要があります。

例えば以下のような特徴がある税理士は、スピード対応ができる可能性が高いでしょう。

  • ホームページに「急ぎ対応」「最短申告」などの記載がある
  • 専門チームがあり、資料収集から申告までの流れが整理されている

また、「申告期限まで◯ヵ月以内は追加費用」といったルールを設けている税理士も信頼できるでしょう。追加リソースが必要という現実を明示し、業務量と品質を管理している証拠だからです。

つまり、スピードを強調するだけではなく、期限までの作業量や人員体制を明確に説明できるかが税理士を見極めるポイントです。

相続が初めてで不安な人は「説明が丁寧な税理士」を選ぶ

相続は一生に一度の経験になる場合が大半で、専門用語や手続きの多さに戸惑う人がほとんどです。不安な人は、図や具体例を交えて分かりやすく説明してくれる税理士を選びましょう。

初回相談の際に以下の点を意識して税理士を決めるのがおすすめです。

  • 難しい専門用語を避けて説明してくれるか
  • 質問しやすい雰囲気か
  • 分かるまで説明してくれるか

不安を抱えたままにせず、納得できるまで話を聞いてくれる税理士を選びましょう。

費用を抑えたい人は「料金の内訳が明確な税理士」を選ぶ

費用をできるだけ抑えたい人は、料金の内訳が明確な税理士を選びましょう。

見積書で業務内容が細かく示されていれば、「戸籍収集は自分でできそう」など、自分で対応できる部分を判断できます。その結果、不要な費用を抑えつつ、必要な部分だけを専門家に任せられます。

費用を比較する際は、安さだけでなく「内訳の分かりやすさ」にも注目しましょう。

不動産が多い人は「地域に詳しい税理士」を選ぶ

不動産を多く相続する場合は、地域密着型の税理士がおすすめです。

不動産の場合、図面だけでは分からない土地の形や高低差などによって、評価額が変わることがあります。例えば「形がいびつ」「坂が急」「車が入らない」などの条件で評価が下がるケースです。

地元の税理士なら現地に足を運びやすいため、現地でしか分からない要素を確認でき、より正確な評価が可能です。評価が下がれば、相続税の減額に繋がります。

一方で、現地を確認せず机上の資料だけで処理すると、税額が多くなってしまうリスクがあります。

また、自治体ごとの評価ルールなど地域特有の知識が必要になる場合もあります。相続遺産に不動産が多い場合は、その土地の評価に特化した税理士を選ぶと、無駄な税負担を防げるでしょう。

参考:No.4617 利用価値が著しく低下している宅地の評価|国税庁

参考:不整形地の評価|国税庁

専門性を優先したい人は「オンライン対応の税理士」を選ぶ

不動産以外の相続財産も多い場合や、より高度な節税対策を重視する場合は、オンライン対応できる相続専門税理士がおすすめです。

相続税の計算や財産評価、特例の適用判断などは、税理士の経験の差が出る分野です。地域にこだわって専門性の低い税理士を選ぶより、全国対応の相続に特化した税理士を選んだ方が満足度が高い場合があります。

近年はZoom面談やクラウド共有などで、資料提出や相談をオンラインでできる税理士事務所が増えています。

「やさしい相続相談センター」では、全国どこからでもオンラインでご相談いただけます。相続専門の税理士が個々の状況に応じて対応し、最適な申告をサポートします。まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

実際に相続税の税理士を探す手順3STEP

相続税の申告を任せる税理士は、次の手順で探すのがおすすめです。

まずは検索で候補を集める

Googleなどの検索エンジンで「相続税 税理士 〇〇市」などと検索し、複数の事務所のホームページを比較しましょう。自分の地域で「どんな税理士がいるか」をざっくり把握できます。

このとき、相続専門ページや料金表の有無などをチェックしておくと安心です。

税理士紹介サイトを活用する

自分で一から探すのが不安な場合は、紹介サイトを活用するのもおすすめです。税理士紹介サイトであれば、「相続専門」「スピード対応可」「無料相談あり」など、条件を絞って探せます。

また、複数の税理士をまとめて比較できるため、短期間で候補を絞りたい人にも向いています。

気になる事務所に無料相談を申し込んで比較する

気になる事務所があれば、無料相談を申し込みましょう。この際、1ヵ所に絞らず2〜3ヵ所に相談して比較するのがおすすめです。対応の早さ・説明の分かりやすさ・料金の明確さ・相性などを基準に、自分に合う税理士を決めましょう。

例え一度決めてしまっても、不安や違和感が生じたら他の税理士にセカンドオピニオンをお願いするのも一つの手です。納得できる説明を受けてから進めた方が、後悔せずに済みます。

相続税の税理士は「専門性×目的」で探そう

この記事では、相続税申告を依頼する税理士の探し方を解説しました。

相続税は専門性の高い分野であり、経験の少ない税理士に任せると追徴課税などが生じる場合があります。リスクを避けるために、まずは「相続にどれほど力を入れているか」をホームページなどで確認しましょう。身近な税理士になんとなく頼むのはおすすめしません。

また、自分の状況に合わせて優先すべき条件も変わります。期限が迫っているならスピード対応、不動産が多いなら地域の知識、費用を抑えたいなら明確な料金体系などを重視しましょう。

当センターでは、初めての方にも安心していただけるよう、相続専門の税理士が個々の状況に合わせて対応いたします。複雑な土地評価や、国税OBによる税務調査対応も可能です。

また、相続税の申告だけではなく、相続に関わる手続きをワンストップで一括サポートいたします。「何から始めればいいか分からない」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。

複雑な相続手続き、すべてお任せください

戸籍収集から財産評価、遺産分割協議書の作成、税務申告までワンストップで代行。あなたは故人を偲ぶ時間に集中してください。

相続税申告は『やさしい相続相談センター』にご相談ください。

相続税の申告手続きは初めての経験で不慣れなことも多くあると思います。
しかし適正な申告ができなければ、後日税務署の税務調査を受け、思いがけず資産を失うこともある大切な手続きです。

やさしい相続相談センターでは、お客様の資産をお守りする適切な申告をサポートさせていただきます。
初回相談は無料です。ぜひご相談ください。

また、金融機関不動産関係者葬儀関連企業税理士・会計士の方からのご相談やサポートも行っております。
小谷野税理士法人の相続専門スタッフがお客様へのサービス向上のお手伝いをさせていただきます。

監修者

山口 美幸

山口 美幸 小谷野税理士法人 パートナー税理士・センター長

96年大手監査法人入社、98年小谷野公認会計士事務所(小谷野税理士法人)入所。

【執筆実績】
「いまさら人に聞けない『事業承継対策』の実務」(共著、セルバ出版)他

【メッセージ】
亡くなった方の思い、ご家族の思いに寄り添って相続の手続きを進めていきます。税務申告以外の各種相続手続きも、ワンストップで終了するように優しく対応します。