相続財産調査の費用相場を依頼先別に紹介!依頼前の確認ポイントも解説
 
                          相続財産調査は、遺産分割の協議や相続税の申告を正確に進めるための第一歩です。しかし、依頼先によって費用や対応範囲、調査期間には大きな違いがあります。依頼内容や目的を明確にし、最適な専門家を選ばなければなりません。そこで本記事では相続財産調査の費用相場を依頼先別に紹介します。さらに依頼先の選び方や費用の確認ポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
【依頼先別】相続財産調査を依頼する場合の費用相場

以下の表は、相続財産調査を依頼する場合の費用相場を依頼先別にまとめています。
| 依頼先 | 費用相場 | 対応範囲 | 調査期間 | 
| 弁護士 | 10万〜30万円程度 | 相続手続のほぼ全てを代行可能 | 1〜2ヵ月程度 | 
| 司法書士 | 10万〜30万円程度 | 各種調査や登記手続が可能 | 約1ヵ月 | 
| 税理士 | 財産額の0.5〜1.0% | 相続税の申告業務 | 約2ヵ月 | 
| 行政書士 | 数万円〜 | 不動産登記を含まない代行業務 | 約1ヵ月 | 
| 信託銀行 | 約100万円〜 | 必要に応じて他の専門家と連携、遺産整理全体の窓口 | 約10ヵ月 | 
このように相続財産調査の費用は依頼先によって大きく異なるため、調査の目的や最終的な手続きを見据えて依頼先を選びましょう。特に相続税申告が必要な場合は早めに税理士へ相談すれば、調査から申告、節税対策まで一貫したサポートを受けられるため安心です。
相続財産調査の具体的な費用が知りたい方は「やさしい相続相談センター」にて無料相談を承っておりますので、ぜひご利用ください。
関連記事:【税理士監修】遺産相続の手続きは何から始めるべきか?手順や期限、最適な相談先をわかりやすく解説
相続財産調査が重要な理由

相続財産調査が必要となるのは、大きく分けて3つの理由があります。
遺産分割の方針を決めるため
相続財産調査によって財産の全体像を把握できなければ、遺産分割の方針を決められず後々トラブルや手続きのやり直しにつながります。例えば遺産分割後に新たな財産が見つかった場合、相続人同士で再び協議をやり直さなければならず、大きな負担となるでしょう。
また調査を怠ると相続人による財産の使い込みに気づけない恐れがあります。使い込みが発覚すると、遺産分割の取得金額にも影響してしまいます。そこで相続財産調査を実施すれば、不自然な払い戻しなどを発見しやすくなるのです。
相続税を正確に計算するため
相続税の申告には、財産の全容を把握して正しく計算することが大切です。不十分な調査のまま申告すると、課税額を過少に申告して追徴課税を受ける恐れがあります。また、本来申告すべき相続税を申告せずに余分な税金を負担する可能性もあるので要注意です。
相続放棄や限定承認を検討するため
相続財産調査によって預貯金や株式などのプラスの財産よりも、借金や保証債務などの負債が多いと判明することもあります。調査を怠ると、負債が多いにもかかわらず漫然と相続してしまい、後から放棄できなくなる恐れがあります。
相続放棄や限定承認の申述は原則として相続開始から3ヵ月以内に行う必要があるため、財産調査はできるだけ早期に着手しましょう。
関連記事:単純承認・限定承認・相続放棄どれを選ぶ?トラブルを避ける方法
相続財産調査の費用で確認すべき3つのポイント
以下では、相続財産調査を依頼する前に費用面で確認すべき3つのポイントをまとめました。
実費はどれくらいかかるかを見積もってもらう
専門家に依頼すると基本報酬のほかに実費(書類取得手数料、通信費、法務局や市区町村の発行手数料、現地調査の交通費など)が発生します。特に専門家に「全部任せる」場合、本人がやれば数千円で済む手続きでも交通費や手数料が積み重なり思わぬ出費になることがあります。
事前に実費の内訳を提示してもらい、納得できない場合は別の事務所にも見積りを取って相場を確認しましょう。
どこまで代行してもらえるかを確認する
財産調査の代行範囲は、依頼する専門家によって異なります。「戸籍の収集まで代行」「不動産や預金の調査のみ対応」といったように、業務範囲が限定されているケースも考えられます。
自分で動く部分を減らしたいのか、一部だけ依頼したいのかによって、必要なサポートは異なります。そのため、契約前にどこまで任せられるのかを明確にしておくことが大切です。
提示額が「調査のみ」の費用かどうか確かめる
提示された金額が「調査のみ」の費用なのか、それとも調査後の相続手続きまで含まれているのかを確認する必要があります。調査費用と手続き費用が分かれている場合、調査後に追加費用がかかることもあります。
初めから総額をイメージできていれば、予算計画も立てやすく安心です。費用の内訳や範囲を必ず確認し、不明点があれば契約前に質問しておきましょう。
誰に頼むべき?相続財産調査を依頼する専門家の選び方
財産調査は、弁護士・司法書士・行政書士・税理士などの専門家に依頼できます。しかしどの専門家に相談すべきかは、依頼内容によって異なります。
各専門家の特徴と得意分野は以下の通りです。
| 専門家 | 特徴 | 依頼がおすすめな人 | 
| 税理士 | 
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| 弁護士 | 
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| 司法書士 | 
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| 行政書士 | 
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このように依頼内容に応じて「誰に頼むのが最適か」を見極めることが、スムーズで無駄のない相続手続きにつながります。
関連記事:遺産相続の相談先は?専門家ごとの依頼できる内容を詳しく紹介
相続税の申告も依頼するなら税理士がベスト
相続財産調査と相続税申告を同時に進める場合は、税理士に依頼するのがおすすめです。税理士は税務の専門家として財産を漏れなく洗い出すだけでなく、相続税の計算や節税対策まで一貫してサポートしてくれます。
調査と申告を別々に依頼すると手間や費用がかさむ可能性がありますが、税理士に一括で任せれば効率的かつ確実に手続きを進められるでしょう。「やさしい相続センター」では、相続税手続きに関する経験・実績が豊富な税理士が多数在籍しております。はじめての相続税申告で不安がある方は、お気軽に「やさしい相続センター」の無料相談をご利用ください。
相続財産調査に関するよくある質問

以下では相続財産調査に関するよくある質問をまとめたので、ぜひ参考にしてください。
相続財産調査は自分でできる?
相続財産調査は専門家に依頼することも可能ですが、条件によっては自分で進めるほうが適している場合もあります。判断の目安として、以下の条件に3つ以上当てはまれば、自分で調査するのが望ましいといえるでしょう。
- 財産が少なく把握できている
- 不動産がない
- 時間がある
- 費用を抑えたい
ただし対象の財産が多い、内容が把握できていない、不動産を含む、手続きを進める時間がない場合は専門家へ依頼するほうがスムーズです。
自分でやると調査期間はどのくらいかかる?
相続財産調査は、相続開始後できるだけ早く着手し、4〜5ヶ月以内に完了させるのが理想的です。こうすることで相続放棄の検討や必要な手続きを行う余裕が生まれます。相続放棄の必要がなくても申告期限間際になると費用が増えることもあるため、遅くとも半年程度で調査を終えるのが望ましいでしょう。
まとめ
相続財産調査は、遺産分割の前提となるだけでなく、相続税の申告や相続放棄の判断に直結する重要な手続きです。依頼先によって費用や対応範囲、調査期間が大きく異なるため、事前に見積りや業務範囲をしっかり確認しましょう。
相続税の申告が必要となる場合は税理士への依頼が必須ですが、全体の手続きを任せたい場合には弁護士や信託銀行も候補となります。状況や目的に合わせて最適な専門家を選び早めに相談すれば、無駄な費用やトラブルを避け、安心して相続手続きを進められるでしょう。
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監修者

山口 美幸 小谷野税理士法人 パートナー税理士・センター長
96年大手監査法人入社、98年小谷野公認会計士事務所(小谷野税理士法人)入所。
【執筆実績】
「いまさら人に聞けない『事業承継対策』の実務」(共著、セルバ出版)他
【メッセージ】
亡くなった方の思い、ご家族の思いに寄り添って相続の手続きを進めていきます。税務申告以外の各種相続手続きも、ワンストップで終了するように優しく対応します。